固定価格買取制度(FIT)に入札制度が導入されて以降、落札件数・容量の上位に、水上太陽光発電所を開発しているCiel Terre Japan(シエル・テール・ジャパン:東京都中央区)が入り、注目を集めている(ランキングのコラム)。同社は太陽光パネルを水面に浮かべる部材であるフロートの大手、フランスCiel et Terre International(シエル・テール・インターナショナル)の日本法人で、発電事業も手掛けている。ステルフェルド・レミ・タケユキ(武雪)社長に現状やコスト低減の工夫などを聞いた。

――フロート販売の実績などの近況を教えてください。
大規模な水上太陽光発電所は、世界的に見ても日本で立ち上がった分野です。日本法人の設立から数年間は、世界全体の中で日本がトップの販売先でした(関連コラム)。
日本では、未着工の案件を含めて約130カ所、合計出力約205MWを受注済みです。規模が最も大きいのは、太陽光パネルの出力が約14MWの案件です。このうち約54MWは、自社グループの発電事業です(関連ニュース)。
世界では約250カ所、合計出力約620MWとなっています。これは日本を含んでいるので、日本以外では約120カ所、合計出力約415MWとなります(図1)。
本国のシエル・テール・インターナショナルに、東京センチュリーが11.48%、伊藤忠商事が5.88%出資していることも、日本との縁を深めています。
海外では、台湾やタイ、米国、インド、ブラジルなどで拡販が進んでいます。いずれも日射に恵まれた地域で、水上太陽光発電の事業性を高めやすい環境にあります。
インドでは、工場のほか、開発や技術の拠点も持ち、最も従業員が多い地域となっています。従業員は全世界で約200人、このうち日本が約30人となっています。
――現在でも、フロートでは世界でトップなのでしょうか。
採用されている水上太陽光発電所の件数・容量ともに世界一です。
ただし、今後は、中国のメーカーに抜かれてしまう日がくるかもしれません。中国には大型の案件が多く、シエル・テールでも出力約80MWの案件に関わったことがあります。しかし、与信の問題のほか、コピー製品の流通などのリスクも大きいため、中国の市場には相対的に力を入れていません。