都内から那須町のドローンに指令
2月17日、栃木県那須町芦野にある約2MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)で、「全自動ドローン」のデモンストレーションが実施された。
この発電所サイト内には「DroneNest(充電ポート)」と呼ばれる、ドローンを格納している容器があり、東京都内のパソコン画面で「飛行開始」のボタンを押すと、格納容器の扉が開いて、ドローンが飛び立った(図1)。
機体はあっという間に上空75mまで達し、あらかじめ決められた点検ルートに従ってアレイ(太陽光パネルの設置単位)の上を行きつ、戻りつしながら赤外線カメラで太陽光パネルを撮影し、自動的に格納容器に帰還した(図2)。
1回の点検時間は約20分で、格納容器に戻り60分間、充電すれば再び、飛行できる。冬季でも蓄電池の充放電性能を維持するため、格納容器内には加温器も備えている。
このデモ飛行は、太陽光発電所の開発・運営などを手掛けるafterFIT(東京都港区)が実施した。同社は、今後、こうした全自動ドローンをメガソーラーのO&M(運営・保守)に積極的に導入していくことで、太陽光のO&Mを省人化、高度化していく方針だ。
この日は、報道陣向けのデモ飛行だったため、発電所サイトには、afterFITの技術者が待機していたものの、見ているだけで、ドローンの操作はすべて都内の本社で行われた。実際の運用では、発電所サイトには誰も立ち会わず、無人の状態で点検を行い、撮影した画像データなどもすべて都内のオフィスで閲覧し、取得・分析できる(図3)(図4)。