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引き合い増えるパネル洗浄、サービス実績1400MWの7割は「金融・アセットマネジメント」向け

資産価値の向上を重視する需要に合致、ロボットの進化も奏功

2020/06/10 05:00
加藤 伸一=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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 太陽光パネルの洗浄サービスを活用する発電事業者が増えてきた。パネルの表面には、土や砂、埃、鳥の糞などによるさまざまな汚れが付着する。立地する地域や周辺環境によって汚れがひどく、変換効率が低下することがある。

 洗浄サービス自体は、固定価格買取制度(FIT)が始まって以降、いくつかの企業がサービスを事業化し、発電事業者などに提案してきた。しかし、費用対効果がそれほど大きく見込めない、太陽光パネルを損傷する恐れがあるなどの理由で、どうしても必要な特別な理由がある発電所以外には、広く普及しているとは言えない状況が続いていた。

 しかし、ここ数年の間に、太陽光パネルの汚れによる発電ロスが想像以上に大きい発電所が増えてきたこと、洗浄手法の効率化によってサービス単価が下がってきたこと、太陽光パネルを損傷するリスクが少ない手法が増えてきたことから、洗浄サービスを活用しやすい環境になってきた。

 2017年に太陽光パネルの洗浄サービスを開始したネクストエナジー・アンド・リソース(長野県駒ヶ根市)の場合、すでに累計で1400MWのパネルを洗った実績があるという(図1)。

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図1●太陽光パネルの洗浄の様子
(出所:ネクストエナジー・アンド・リソース)
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 同社の場合、O&M(運用・保守)サービスの拡充を目的に、洗浄サービスに取り組みはじめた。パネル表面への後付けの反射防止(AR)コーティング(他の企業によるサービスの例)をサービスに追加するかを検討する中で、コーティングの準備として必要なパネル表面の洗浄についても調査し、その市場性や事業性を検討した。

 ネクストエナジーによると、パネル表面の汚れによる発電ロスが生じている発電所がかなり多く、ロボットによる効率化の余地が大きいことから洗浄サービスを事業化した。同社による洗浄サービスでは、基本的にロボットを使う。ロボットを使えない環境の場合のみ、人手で作業する(図2)。

図2●人手による作業の様子
(出所:ネクストエナジー・アンド・リソース)
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 事業化した当初から、標準的な条件の場合、サービス単価は「市場価格の半額」を目指してきた。当初は、当時の一般的な洗浄サービスの「1MWあたり約100万円」に対して約60万円、現在でも標準的な条件であれば、一般的な洗浄サービスの単価に対してほぼ半額以下を提示して受注しているとしている。

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