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AIで解析、報告書まで自動化、IT大手の総合力を生かした太陽光ドローン点検(page 2)

落雷による「モザイク状」の異常も発見

2019/07/03 05:00
加藤 伸一=日経BP総研 クリーンテックラボ
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 一般的に、ドローンを使った太陽光パネルの点検では、熱分布画像の解析プロセスの効率化は、まだ十分には進んでいない。人手によるサービスがほとんどで、時間や手間を要するプロセスとなっている。

 ドローンを飛ばして、赤外線カメラで太陽光パネルの熱分布画像を空撮するまでの前工程と、取得した画像を分析して報告する後工程にわけると、すでに効率化が進んでいるのは、空撮するまでの前工程といえる。

 ここでは、そもそも歩行による撮影から空撮に変わっただけでも効率的になっている上、ドローンの操作と空撮を自動化する動きが先行している。

 一方、取得した画像を分析して報告する後工程は、効率化の余地が大きく残っている。

 上空から一定範囲のパネルを写した熱分布画像は、どの場所でも同じように見える。それぞれの画像がパネル配置図のどこに該当し、異常のある場合、どのような状況によって生じたのかというレポートは、一般的なサービスのメニューだが、それらを推測する作業は、人海戦術的なものとなっている。

 例えば、出力約2MWの発電所の場合、多くのサービス事業者が、この作業だけで1週間程度を要しているという。

 NECネッツエスアイでは、NECグループのAIなどの知見を応用して、熱分布画像ごとの配置図内での位置の特定や、熱分布の異常を引き起こしている現象の分類、その現象への対応の緊急度まで、自動で解析できるようにした。顧客に提出する報告書の作成も自動化した(図2)。

図2●AIで解析から報告書まで自動化
(出所:NECネッツエスアイ)
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 これによって、前工程、後工程ともに人手で実施している場合に比べて、熱分布画像の取得から解析、異常を生じているパネル位置や状況の特定、報告書の作成までに要する所要時間を4分の1に、コストを約60%以上削減できるとしている。

 一般的な地形のメガソーラーにおける参考価格(税抜き)として、空撮から報告書の作成までで1回あたり、出力2MWの場合は40万円から、出力10MWの場合は110万円からとしている。

 こうした後工程までの自動化は、同社のほかに、エナジー・ソリューションズ(東京都千代田区)が実用化したことを発表している(関連コラム: AI活用で2MWあたり分析時間はわずか「3分」)。

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