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AIで解析、報告書まで自動化、IT大手の総合力を生かした太陽光ドローン点検(page 3)

落雷による「モザイク状」の異常も発見

2019/07/03 05:00
加藤 伸一=日経BP総研 クリーンテックラボ
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スクールも運営、技術と法令遵守を両立したドローン空撮

 前工程となる、ドローンによる空撮では、産業向けサービスで培った知見に加えて、パネルの熱分布画像の空撮に特有の知見を新たに身に付け、実用化につなげた。

 このほか同社では、ドローン関連団体の日本ドローンコンソーシアムの「認定スクール」を運営している。スクールの講習修了者は、飛行の許可を受ける際に、ドローン操縦の知識や能力に関する確認が簡略化される。同コンソーシアムは、千葉大学の野波健蔵教授が立ち上げたミニサーベイヤーコンソーシアムを前身とする。

 こうした取り組みを通じて、技術面に加えて、法や条例などに適切に対応する知見も蓄積してきた。例えば、航空法、小型無人機など飛行禁止法などの関連法のほか、国土交通省が定めたルールに則ってドローンを飛行する必要がある。

 メガソーラーの場合、電力会社の電柱や送電線が敷地内や近隣に架設されていることが多い。

 これが、航空法が定めている「第3者の所有物から30m以内の距離を飛行しない」というドローンの飛行規制に影響する。連系点となる電柱や、そこから伸びる送電線は、電力会社が所有する「第3者の所有物」となる。このため、電柱や送電線の30m以内に入らないように飛行しつつ、太陽光パネルの不具合を正確に把握できるレベルの画像を空撮できなければならない。

 ドローンの飛行に関する法令などを守らずに運用している事業者も目立ち、業界としての課題になっている。こうした状況の中、法令順守に対する厳格な姿勢が、強みになるのではないかと考えている。

 技術面では、太陽光パネルの空撮に特有の点として、ドローンが搭載している赤外線カメラの解像度、撮像性能などに合わせて、パネルとの高度差、撮影する角度、照度などを最適なバランスに保つ必要がある。このバランスの習熟を高めていったという。

 山間部に立地するメガソーラーの場合、地形の凹凸をそのまま生かしてパネルを並べている場合も多い。この場合、一定の高さでドローンを飛ばして撮影すると、パネルとの高度差や角度を一定範囲に保てない。こうした課題を解消する自動飛行の航路設定などもノウハウとなってくる。

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