特集

ドローンでカラスを撃退! 「嫌がる音」で空中戦(page 3)

佐賀の太陽光と鳥獣撃退のベンチャー2社が開発

2019/07/17 05:00
加藤 伸一=日経BP総研 クリーンテックラボ
印刷用ページ

 ECO-5は、カラスだけでなく、イノシシやシカなど、さまざまな動物による被害への対策に、鳥獣による音声を使った鳥獣害防止システムを開発・販売している。おもにスピーカーを備えた定置型のシステムを使い、天敵の声や、天敵に襲われている時に発する鳴き声などを組み合わせ、さまざまな場所から流す(動画2)。

動画2●カラス撃退向けの音声サンプルの例
(出所:日経BP)

 同社の永野洋一代表取締役によると、そうした音声もただ拡声するだけでは効果が長続きせず、定置システムを置く場所を頻繁に変えたり、流す音声をスピーカーごとに変えたり、音声そのものも時折変えていくといった、鳥獣が慣れない工夫が重要と言う。

 どこから、どのタイミングで、どのような音声が流れてくるのかわからない環境を作ることが、効果を持続させるコツの一つのようである。

 カラス対策では、タカやハヤブサ、ワシなどの天敵の鳴き声のほか、猟銃の音、カラスの怯えた時の鳴き声だけでなく、意外なところでは、ウミガモの声など、幅広い種類の音声を拡声している。カラスは特に頭が良く、効果的な音の種類や出し方がポイントとしている。

 日本環境テクノの太陽光発電所では、地上に10台の撃退用スピーカーを置いている。このうち8台はカラス、残りの2台はイノシシ向けとなっている。近隣の山の斜面をイノシシが頻繁に掘っており、この行動を防ぐ目的で、夜間に犬が吠える声を拡声している。

 この定置型スピーカーを導入したところ、カラスが怯えて逃げ出し、急激に少なくなった。置く場所や拡声する音声を変えていくことで、効果が持続することもわかった。

 こうした経緯から、日本環境テクノでは、自社のもう1つの事業の柱であるドローンを組み合わせれば、より効果的なカラス撃退法を実現できるのではないかと考えた。小室代表取締役によると、定置型とドローンのどちらかに偏った手法では、効果に限界がり、両方を組み合わせることで、初めて持続的な対策を実現できる。

 冒頭の動画は、初めて発電所で試した時の様子で、小型のドローンを使った。音声の効果は確認できたものの、ドローンが小型なために、カラスがアタックすることも観察された。また、小型ドローンが備えているスピーカーの出力が、カラスを怖がらせるレベルに拡声するには不十分なこともわかった。

  • 記事ランキング