特集

「火を噴くジャンクションボックス」、NTT西の新会社がドローン点検で発見(page 2)

AIで分析の効率化を急ぎ、風力でも実績を伸ばす

2019/08/21 00:58
加藤 伸一=日経BP総研 クリーンテックラボ
印刷用ページ

 NTTグループにおけるドローン活用は、2011年3月の東日本大震災が契機となった。震災によって、NTT東日本の通信設備が大きな被害を受けた。

 中でも、課題となったのは、橋を利用して敷設した通信線(中継線)だった。橋が倒壊したことで、その先の地域全体の通信が途切れてしまう被害が相次いだ。

 橋に敷設した通信線を急いで復旧する手法として、当時の状況ではヘリコプターの活用が一般的だった。だが、費用と技術の両面から課題が多かった。そこで、NTTグループでは、ドローンを積極的に活用することにした。ヘリコプターを使うよりは、費用と技術ともに現実的な手法だった。NTT東日本・西日本は、それぞれ数百台を導入し、運用するようになった。

 当時、普及していたのは、現在のような形の機体ではなく、航空機と同じような形の機体だった。無人航空機(UAV)と呼ばれることもある。寸法も、現在のドローンより大きい。

 自社グループの通信設備の復旧などに活用する中で、無人小型飛行体を運用する上でのノウハウが蓄積されたという。そこで、NTT西日本では、自社グループの設備への適用だけでなく、事業として他社設備にもサービスを提供できないかと考えた。長期的な需要が見込める分野として、点検が有望ではないかと予想した。

 しかし、この時点で、空撮を応用した点検の需要は、ほとんどなかった。当時、目の前の需要として唯一、可能性を感じたのが、メガソーラー(大規模太陽光発電所)における太陽光パネルの点検だった。固定価格買取制度(FIT)の運用が改正され、稼働後の保守・点検を重視する方向に変わることも、追い風と考えた。

 NTTグループには、国内の太陽光発電所の開発・運営、EPC(設計・調達・施工)やO&M(運用・保守)でいずれもトップクラスであるNTTファシリティーズがある。

  • 記事ランキング