関西の山あいに立地する太陽光パネルの出力で約5MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)において、9月末にドローン(無人小型飛行体)を使ったパネルの点検が実施された(図1)。
このメガソーラーは、大規模に造成せず、元々の斜面を残して開発された。1万7000枚以上の太陽光パネルが、傾斜はそのままで、杭基礎と架台の調整によって土地なりに設置されている。
大きく3つの区画にわかれ、敷地面積は合計で約10万m2と広い。
こうした傾斜を残す地形で、かつ広い太陽光発電所では、平坦でかつコンパクトな発電所に比べて、点検にドローンを使う利点が大きい。
点検作業者にとって、傾斜が大きいほど敷地内を歩いて巡回したり、アレイ(太陽光パネルを架台に固定する単位)の下に潜りこむ際にも身体的な負担が大きい(図2)。広い点も同様に負担が増す要因となる。
ドローンによる点検では、赤外線カメラで熱分布の画像を空中から撮影する。これによって得た太陽光パネルの熱分布の画像から、過剰に発熱しているなどの異常を示す場所を見つけ出す。
ドローンを使わずに、赤外線カメラを持って撮影しながら歩き回る手法もあるが、今回のような斜面では、安全管理、コストの両面から現実的ではない。
そこで、このメガソーラーでは、昨年からドローンによる点検を採用した。1回目は2019年10月、約1年後の2020年9月末に、今回の2回目を実施した。
このように、定期的にドローンで空撮し、太陽光パネルの状態を確認して経時変化を把握する発電事業者が増えている。人間の定期健診のような位置づけになる。