このハスクバーナのロボット除草機は、伸びた芝や草を刈るというよりも、不要に伸ばすことを防ぎ、常に一定の高さに保つことに向く。
リチウムイオン蓄電池を使って駆動し、四輪の間に回転刃を備えている(図4)。回転刃は、乗用型草刈機が備える鎌のような刃ではなく、かみそりの刃のような薄いもので、これを3枚備えている。この刃で芝や草を刈る。
自律走行しながら刈る範囲は、充電ステーションを発着点として、走行時のガイドとなるワイヤーを地表に張って囲んで設定する。ワイヤーはペグで打ち込む。このワイヤーで囲まれた区域の中を、ランダムに走行しながら草や芝を刈っていく(図5)。
地表に張ったワイヤーを通じて、信号を発している。ロボット除草機は、この信号を受信して走行区域の境界を把握している。
太陽光発電所において、このロボットを使うのに向かない場所があれば、ワイヤーの敷設の工夫によって避けられる。また、柵や杭などを設置しておけば、その前で停止して向きを変え、そこを避けて移動する。
日本法人のハスクバーナ・ゼノア(埼玉県川越市)によると、地表の状態や走行区域の水平方向の形状などにもよるが、一般的な条件では、満充電時には約2時間走行でき、その間に1時間に約135m2の範囲で草や芝を刈れる。充電ステーションでは、約1時間で満充電となる。
約2時間、稼働して刈り、その後、1時間かけて充電するというサイクルを繰り返すと、一般的な条件であれば、1日に約3200m2を除草できる。
刈っている最中に、他の場所よりも草や芝の伸びが大きい場所を検知すると、スパイラル(螺旋)状に走り、重点的に刈りこむモードに変わる。この場所を刈り終えると、通常のランダムな走行に自律的に切り替わる。