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「水を抜く池」で低圧・水上太陽光、「両面発電」「パネル毎監視」も採用

FITの売電単価が21円/kWhでも事業として成立

2020/01/15 11:44
加藤 伸一=日経BP総研 クリーンテックラボ
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 兵庫県加西市にある農業用ため池「野田池」で2019年9月、池の水面に太陽光パネルを浮かべた水上太陽光発電所が売電を開始した(図1)。

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図1●「野田池」の低圧の水上太陽光発電所
(出所:上は日経BP、そのほかはエネテク)
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 国内では、ため池の多い兵庫県や香川県を中心に、多くの水上太陽光発電所が稼働している。その中で、「野田池」の水上太陽光は、他の水上案件とは、違うことばかりの「異色の水上太陽光発電所」となっている。

 まず、野田池では、「年に一度は、水を抜く」運用をしている。水上太陽光で、最も嫌われる管理の一つが、この「水を抜く」ことである。そんななか、こうした運用の池であえて発電事業を営んでいる。

 水を抜くのは、ため池の管理・運営上の理由である。池の底を定期的に乾かすことで、堤体や底の強度が増す。さらに、池の水が川を通じて海に流れ込むことで、瀬戸内海の栄養素が高まり、水産資源が豊かになる効果もあるという。

 しかし、水を抜けば、太陽光パネルが固定されたフロートが、底に着床する。底の凹凸などの状況次第では、フロートが傾くなど、設備の損壊につながる。再び池に水を張った時に、着床していたフロートが、また水に浮かぶ。この時にも、設備が損壊する恐れがある。

 このリスクから、フロートメーカーの多くは、着床する可能性のある池での採用に難色を示している。

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