特集

「デジタル技術」で太陽光ファンド組成、ブロックチェーン活用

国内で初めて「証券トークン」の発行で資金調達

2020/01/09 15:00
金子憲治=日経BP総合研究所 クリーンテックラボ
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「セキュリティトークン」を発行

 2019年8月、兵庫県姫路市に稼働する約50kWの低圧事業用太陽光発電所が、ブロックチェーンによるデジタル技術を使ったファンドスキームで資金を調達した。こうした試みは日本で初めてとなる。さらに2019年12月24日には、この発電所への投資資産を対象にデジタル技術上での売買取引が行われた。

 今回の投資スキームは、現行の国内法の下で組成された事業型ファンド(匿名組合により複数者からの投資)でありながら、従来のような「紙の証券」と同様の役割を持つデジタル上の「セキュリティトークン(Security Token=ST)」が発行された(図1)。

図1●「セキュリティトークン」発行で資金調達した太陽光発電所
(出所:LEVIAS)
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 12月に実行された投資資産の売買も、「セキュリティトークン」によっても行われた。

 「セキュリティトークン」とは、ブロックチェーン技術によって安全な取引が確保されたデジタル上の有価証券の単位を意味する。

 セキュリティ(Security)は「証券」の英語なので、「セキュリティトークン」は「証券トークン」ともいえる。ただ、トークン(Token)という単語は日本語に訳しにくい。もともとトークン(Token)は、一般名詞として「象徴」や「しるし」「記念品」などの意味を持つが、IT業界では、プログラム構文やコマンド(命令)を分解した最小単位を示す専門用語になっている。最近、広がっている仮想通貨(Initial Coin offering=ICO)の世界でもこの用語は使われており、デジタル技術による独自のコイン、代替通貨というような意味合いになる。

 今回の太陽光発電所の場合、セキュリティトークンの発行によって、発電所オーナー(出資者)の契約上の地位が証明され、売電収入が分配されることになる。

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