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TMEICの提案する「第3のパワコン」とは?

すでに海外で2GW受注、ストリング型の利点も取り込む

2019/08/07 05:00
金子憲治=日経BP総研 クリーンテックラボ
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 「セントラル型の流れを踏襲しつつ、ストリング型の利点を加味した『第3のパワーコンディショナー』を提案します」―――。
 
 東芝三菱電機産業システム(TMEIC)は今年7月10日、横浜市で開催された太陽光発電関連の展示会で、パワーコンディショナー(PCS)の新モデル「SOLAR WARE U」を発表した。同社執行役員の澤田尚正・産業第三システム事業部長は、新製品の特長をこう表現し、その独創性をアピールした。

 実は、TMEICでは、「SOLAR WARE U」を今年5月から、海外市場で先行販売している。北米やインド、ベトナムなどで、すでに合計約2GWを受注するなど、高い評価を得ており、出足は好調という。今回、公表したのは、それを国内仕様にした新モデルだ(図1)。

図1●7月に横浜市で開かれた展示会で実機を展示した。スパイダーマン最新作のイラストで塗装した特別モデル(非売品)
(出所:日経BP)
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セントラル型とストリング型

 「セントラル型のPCS」とは、太陽光パネルからの直流を集電し、大容量のPCSでまとめて交流に変換して電力系統に連系する方式で、メガソーラー(大規模太陽光発電所)のシステム設計として伝統的なものだ。例えば、約2MWのメガソーラーなら、500kW機・4台、もしくは1MW機・2台といった構成になる。

 これに対し、「ストリング型PCS」とは、パネルからの直流を数十kWの小容量PCSで交流に変換し、交流を集電して系統に連系する。ストリング(太陽光パネルの直列回路)からの直流を、回路ごとに小型PCSに入力する形になる。例えば、約2MWのメガソーラーで、60kW機なら34台といった構成になる。

 ここ数年、中国や台湾メーカーなど、海外製のストリング型PCSが、量産効果によるコスト競争力などを武器に国内外のメガソーラー市場で、シェアを伸ばしてきた。

 一方、セントラル型PCSは、1台の出力を増やし、コスト競争力を高めてきた。澤田事業部長の言う「セントラル型の流れ」とは、こうした「大容量化」の方向性を指している。

 例えば、TMEICでは、固定価格買取制度(FIT)がスタートした2012年当時、500kW機が主力だったが、2015年以降、1MW機から2.5MW機、そして3.2MW機など、大容量化した新モデルを製品化し、特別高圧送電線に接続するような大規模プロジェクトには、こうしたメガクラスの大容量機が採用されるようになってきた。

 PCS1台の単機出力を大きくすることで設置台数が減り、それに伴って周辺機器の集約化や工事工数の削減が可能になって建設コストを低減できる。

 つまり、メガソーラー向けPCSでは、数十kW程度のストリング型と、メガクラスまで大容量化したセントラル型という、2つの方式が併存し、競争してきた。

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