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ホンダが需要家で世界最大のNAS電池、瞬低対策用を系統安定化に活用(page 5)

2018年初の大寒波時には、東電の遠隔DRで実運用も

2019/10/02 05:00
加藤 伸一=日経BP総研 クリーンテックラボ
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 ガスエンジンコージェネは、4基を導入している(図6)。出力は大きなものから7MW、1.252MW、550kW、55kWとなっている。こちらは、東京ガスエンジニアリングソリューションズ(TGES、東京都港区)との15年間のエネルギーサービス契約によって導入し、電力と蒸気を購入している。廃熱も利用できることから、CO2削減にも大きく寄与しているとしている。

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図6●ガスエンジンコージェネレーションシステム
(出所:上は日経BP、下は本田技術研究所)
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 ガスコージェネは、エンジンを最大出力で回し続ける運転が最も効率が良く、環境負荷低減に貢献する。このため、月曜~金曜日は最大出力によるウイークリースタートストップ(WSS)連続運転で運用し、土日祝日や連休の際には稼働を停止している。

 ガスエンジン発電機は、日常的なオイル交換やプラグの交換などのほかに、数万時間ごとに約1カ月間止め、フルオーバーホールする必要がある。出力が大きいため、この点検の際には、東電グループからの受電が通常よりも増えることになる。東電との契約電力量を超えることがないよう、事前に調整した上で定期点検を実施している。

 VOC発電機は、出力300kWで、廃ガソリンを燃料とする(図7)。太陽光とともに、自社で所有している発電設備である。宇宙航空研究開発機構(JAXA)が基本設計し、IHI原動機が製造したもので、2003年に導入、稼働している。

図7●VOC発電機
(出所:本田技術研究所)
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 この4つの発電・蓄電池システムと東電の電力系統からの購入で、所内で使う電力を賄っている。

 これらを束ね、最適に制御・管理するエネルギー統合管理システム「CEMS(Community Energy Management System)」を通じて、所内でスマートグリッドを構成している。これによって、高効率で安定的なエネルギー利用が可能になっているとしている(図8)。

図8●CEMSの表示画面例
(出所:本田技術研究所)
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 それぞれの発電、蓄電池、系統受電まで、所内すべての電気を一元管理しており、すべての建屋の照明や設備の電源にいたるまで、1万数千点のエネルギー消費を計測している。

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