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太陽光とEVでVPP、充放電システムが支える(page 3)

各地の実運用や実証で実績の双方向充電器

2020/06/24 05:00
加藤 伸一=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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 さらに発展すると、都市部の大規模なオフィスビルにおいて、敷地内の太陽光発電、EV、定置型蓄電池を連携させることも想定できる。

 実証段階だが、西日本電信電話(NTT西日本)の山口支店では(図4)、日産自動車、NTTスマイルエナジーと連携した。日産はEV関連、NTTスマイルはビルの構内系統との充放電を担った。

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図4●NTT西日本の取り組み
図4●NTT西日本の取り組み
(出所:NTT西日本、日産自動車)
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 NTT西日本の山口支店では、カーポート型の出力16.5kWの太陽光発電、社用EVとその充放電システム3台ずつを連携させた。EVの充放電はクラウドコンピューティングを活用して制御した。

 カーポート型太陽光の電力は、オフィスビルで自家消費する。太陽光とビル内の消費電力の状況に応じて、ビルの消費だけでは余ってしまう時間帯、逆に足りない時間帯にはEVの蓄電池を充放電する。本業の業務におけるEVの活用状況を変えることなく、系統電力の受電量をいかに削減できるか、2018年12月から検証した。

 その間に、実証用EV以外に、訪問者がEVに乗ってくることがある。この場合を想定し、充放電システムのタッチパネルを通じた認証によって、来客のEVに実証の充放電をしない仕組みとした。

 実証では、夏季のピークカットの効果を確認できた。系統からの受電量、日射量の予測に基づく太陽光発電量の予測、オフィスビルの電力需要の予測などから、需要ピーク時間帯(9時~15時)にEV3台の蓄電池を同時に放電するように設定した。

 太陽光発電の自家消費で6.6kWh、EVから放電した7.5kWhと合わせ、14.1kWhのピークカット効果が得られた(図5)。

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図5●効果の例
図5●効果の例
(出所:NTT西日本)
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 対象日の予測精度は89%、ピークカットを狙った時間帯に限れば94%となり、概ね精度よく予測できたとしている。

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