特集

お茶どころ・掛川の製茶を支える自家消費システム(page 2)

日中は冷凍や乾燥、余剰は貯めて事務棟に

2020/11/11 05:00
加藤 伸一=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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製茶の消費電力は、主に冷凍や乾燥

 お茶の製造で、電力を多く使うのは冷凍庫や乾燥機などである(図3)。

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図3●冷凍庫(上)、乾燥機
図3●冷凍庫(上)、乾燥機
(出所:佐々木製茶)
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 掛川では、茶畑から年に4回、お茶を摘む。4回とも茶の新芽を摘み、4月末~5月上旬に摘む「一番茶」、6月に摘む「二番茶」、7月末~8月上旬に摘む「三番茶」、9月末~10月上旬に摘む「四番茶」と続く。

 摘んだ時期ごとに、お茶の性質は大きく変わる。同じ性質のお茶は、年に一度だけの期間に摘んで、それをその後の1年間をかけて販売していく。

 しかし、お茶の葉は、そのままでは劣化してしまう。このために、摘んだ葉を揉んだ後、-27℃などで冷凍して保存する。

 お茶の小売店など顧客の需要に合わせて、冷凍保存してあるお茶の葉を解凍、ブレンドして出荷する。この解凍、ブレンド、出荷の作業は、佐々木製茶の場合、日曜日以外は日々、続けている。顧客が望むタイミングと量に合わせて出荷までの作業を進めていく(図4)。

図4●茶畑で摘んでからの製造工程
図4●茶畑で摘んでからの製造工程
(出所:佐々木製茶)
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 冷凍庫以外に電力需要の多い乾燥機などは、この作業に使う。

 これまでエネルギー面で困ったのは、最近では2018年秋の台風による停電だった。掛川市は、とくに復旧までの時間を長く要した。

 佐々木製茶でも、3日間停電が続いた。その間は、冷凍庫を開けないようにして、庫内の断熱効果を最大限に生かす運用を試みた。この結果、冷凍していたお茶の葉は無事で、品質に問題が生じることはなかった。

 冷凍庫については、停電しても自立型の太陽光発電システムと蓄電池があれば、ある程度、問題がないというのは、こうした運用の経験にある。製造が止まる17時以降は、冷凍庫を開けることがなく、外気温も低いので、冷凍庫の消費電力は大きく下がる。

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