特集

お茶どころ・掛川の製茶を支える自家消費システム(page 3)

日中は冷凍や乾燥、余剰は貯めて事務棟に

2020/11/11 05:00
加藤 伸一=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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発電は期待していた以上、他の工場にも広がる可能性

 太陽光発電システムの導入では、「机上の計画の通りに発電するものなのかどうか」など、やや懐疑的な面もあったという。

 導入してみると、予想していた以上に発電することを実感したとしている。2020年7月は雨が多く、この時だけは予想を下回ったが、ここまで極端な梅雨は滅多にないため、今後は好調に推移していくと予想している。

 導入時の施工については、日曜日は休業しているため、太陽光発電設備の搬入、とくに太陽光パネルの搬入と屋根上への荷揚げを日曜日に限定するほかには、大きな調整や問題は生じなかったという。

 蓄電池システムを設置した事務所棟の屋根上には、太陽光パネルは設置されていない。これは、耐荷重の面で制約があったことに加え、必要な枚数をすでに満たしていたので無理をすることは避けたとしている。

 蓄電池の容量は、今後、増やしていく可能性があるようだ。今回は事務所で使う範囲に留めたとしている。

 茶畑から製茶に至るプロセスでは、ほかにも太陽光発電や蓄電池システムを導入する余地はありそうだ。

 佐々木製茶によると、茶を揉む工場には、太陽光発電を設置できる可能性がある。問題は、この工場が稼働している時期が、4回の茶摘みごとに2~3週間のみ、年間で約80日と少ないことで、この条件で事業性を満たせるかが課題という。

 また、茶畑には一般的に、風車のようにみえる送風機がついている(図5)。

図5●茶畑にある送風機
図5●茶畑にある送風機
九州の茶畑における例(出所:日経BP)
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 これは、初春の低温の時期に、茶の新芽が霜によって凍結することを防ぐ役割がある。地上5mほどの高さにある暖かい空気を、新芽に向けて送る。

 茶畑は、このために3~4月といった短期で、送風機のために受電契約を結んでいる。この電力を賄える可能性もある。

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