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いま使える「再エネ+蓄電池」の控除・補助:その1(page 5)

レジリエンスと再エネ比率の向上を狙う環境省

2021/04/08 18:45
金子 憲治、加藤 伸一=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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オンサイトPPA、離島のマイクログリッド

 上記の補助事業と類似する点もあるのが、オンサイトPPA(電力購入契約)モデルなどの新たな手法による再エネと蓄電池システムの導入を支援し、コストの低減と地域における再エネ電源の主力化に寄与するための「PPA活用など再エネ価格低減等を通じた地域の再エネ主力化・レジリエンス強化促進事業」である(図8)。

図8●「PPA活用など再エネ価格低減等を通じた地域の再エネ主力化・レジリエンス強化促進事業」
図8●「PPA活用など再エネ価格低減等を通じた地域の再エネ主力化・レジリエンス強化促進事業」
(出所:環境省)
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 一部、総務省、経済産業省と連携して実施する。2021年度の要求額は186億円(うち環境省分は50億円)となっている。

 6つの事業からなる。1つ目の「公共施設の設備制御による地域内再エネ活用モデル構築事業」(図9)は、国として脱炭素化を求めていく中で、自治体が率先して再エネの最大限導入に取り組む必要があるという観点から、地域全体でより効果的に再エネを導入・活用する先進的モデルの構築を目指す事業と位置付けている。

図9●「公共施設の設備制御による地域内再エネ活用モデル構築事業」
図9●「公共施設の設備制御による地域内再エネ活用モデル構築事業」
(出所:環境省)
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 廃棄物発電所や上下水道などの公共施設の中で、遠隔制御可能な複数の設備を活用して、需要を制御しながら地域の再エネ電力を有効活用できるようにし、公共施設の再エネ比率をさらに高めるモデルを構築する。

 このため、災害などの際にも強い、地域の総合的なエネルギーマネジメントの構築に資する再エネ発電・蓄電池システム、通信、エネルギー管理システム(EMS)、自営線などの導入を補助する。

 補助率は3分の2、または2分の1で、一部上限がある。対象は地方自治体、民間事業者などで、実施期間は2020~2024年度となっている。

 2つ目は、「再エネ主力化に向けた需要側の運転制御設備等導入促進事業」(図10)で、太陽光、風力などの変動性再エネを主力化していくために必要な、出力の変動や予測誤差に応じて需要側の設備などの運転状況をモニタリングし、オフサイトから運転制御できる体制の構築を支援する。

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図10●「再エネ主力化に向けた需要側の運転制御設備等導入促進事業」
図10●「再エネ主力化に向けた需要側の運転制御設備等導入促進事業」
(出所:環境省)
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 ここではまず、オフサイトから運転制御可能な充放電設備、充電設備、蓄電システム、一定要件を満たす車載型蓄電池、蓄熱槽、ヒートポンプ、コジェネレーション(熱電併給)システム、EMS、通信・遠隔制御機器、需要側に設置する省CO2・エネルギーマネジメントに資する設備や設備同士を結ぶ自営線、熱導管などを対象とする「オフサイトから運転制御可能な需要家側の設備、システム等導入支援事業」がある。

 設備導入年度の終了後、少なくとも3年間、市場連動型の電力契約を結ぶ事業者を優先的に採択する。

 離島を想定した「再エネの出力抑制低減に資するオフサイトから運転制御可能な発電側の設備、システム等導入支援事業」もある。再エネ設備や需要家側設備を遠隔で群単位で管理・制御することにより、離島全体での再エネ自給率の向上を目指す。

 ここでも、再エネ発電設備、オフサイトから運転制御可能な需要側設備、蓄電システム、蓄熱槽、充放電設備又は充電設備、一定要件を満たす車載型蓄電池、EMS、通信・遠隔制御機器、同期発電設備、自営線、熱導管などの導入を支援する。

 補助率は、「オフサイトから運転制御可能な需要家側の設備、システム等導入支援事業」は2分の1、「再エネの出力抑制低減に資するオフサイトから運転制御可能な発電側の設備、システム等導入支援事業」は、離島については2分の1、それ以外の地域は3分の1となっている。

 補助対象は、地方公共団体、民間事業者・団体など(設備設置者)で、実施期間は2020~2024年度となっている。

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