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いま使える「再エネ+蓄電池」の控除・補助:その2(page 4)

太陽光・風力の大量導入へ、大型蓄電池で需給バランス調整

2021/04/22 11:34
加藤 伸一=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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 次に、経済産業省による補助事業を紹介する。

 「蓄電池等の分散型エネルギーリソースを活用した次世代技術構築実証事業」は、今年度から始まる新規の補助事業で、今年度の予算額は45億2000万円となっている(図6)。

図6●蓄電池による逆潮流にも取り組む
「蓄電池等の分散型エネルギーリソースを活用した次世代技術構築実証事業」(出所:経済産業省)
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 再エネ発電電力を最大限に活用するため、卸電力市場価格に合わせ、EVの充電時間を調整するなどのダイナミックプライシングによる充電シフト実証や、蓄電池からの逆潮流・周波数調整機能など、多数の分散型電源を束ねて正確に制御する技術などを実証し、分散型電源を活用した効率的な電力システムの構築と、再エネの導入拡大に貢献するとしている。

 3年間の事業とし、今年度は、料金メニューの開発や電動車への充電時期のシフトに向けた実証対象の拡大、再エネと蓄電池などの分散型電源を組み合わせた需給バランス制御技術の構築などを実施する。

 「地域共生型再生可能エネルギー等普及促進事業」は、今年度の予算額は34億7000万円となっている(図7)。

図7●地域のマイクログリッドを支援
「地域共生型再生可能エネルギー等普及促進事業」(出所:経済産業省)
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 来年度まで12件程度の先例モデルを構築し、地域のマイクログリッドの制度化や自立的拡大を目指す。また、再エネ発電と地域共生を関連させた取り組みの全国的な定着を目指す補助事業と位置付けている。

 地域における再エネの活用は、地域振興や非常時の電源確保に効果的な一方、系統に連系して託送するシステムでは、自営線を敷設する場合に比べて相対的に工事規模が小さいなどの利点がある。

 ただ、実例がないことに伴う収益面などのリスクが不透明なことが課題になっており、地域マイクログリッドの先例モデルの構築による自立的な普及を後押しする。

 地域にある再エネを活用し、平常時は下位系統の潮流を把握し、災害などによる大規模停電時には自立して電力を供給できる地域マイクログリッドを構築する民間企業など(地方公共団体との共同申請)に対し、構築に必要な費用の3分の2以内を補助する。

 北海道では、短周期変動への対応から、太陽光や風力発電に大型蓄電池を併設するケースが増えている(関連記事3:白老町のサーキット場跡)。

 こうした中には、非常時に商用系統を使って託送して、地域に電力を供給することを目指す動きが出てきている(関連記事4:松前町のマイクログリッド)。 

 このほか、都道府県や市町村による独自の補助金制度も増えてきている。

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