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蓄電池によるピークカットで経済性、将来は太陽光と連係制御(page 6)

米原市で太陽光と蓄電池を導入した三友エレクトリック

2020/04/07 05:00
金子憲治=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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「FBCS」がセルを監視し、最適に充放電

 蓄電池システムを収めた筐体に入ると、蓄電池とPCSが手前に置かれ、奥に「FBCS盤」と書かれた制御装置が設置されている。FBCSとは、「Front Battery Control System」の略。蓄電池盤とPCSを管理するTMBCSの頭脳とも言えるものだ。

 蓄電池システムの基本的な原理は、蓄電池の充放電する直流をPCSで交直変換し、変圧器を通じて連系する。蓄電池セル(電池素子)のSOC(残容量)などの状態は、蓄電池メーカーの支給したBMU(Battery Management Unit:電池管理装置)が監視し、過電圧など深刻な異常事態が発生した蓄電池を回路から解列させる。

 FBCSは、BMUとは別に電池セルを個別に監視し、充放電を最適に制御する。例えば、一部のセルに異常事態の発生する兆候を感知した場合、PCSに指令を出し、該当するセルに充電しないようにする。事故リスクを減らすだけでなく、セルへの負荷低減によってシステム全体の長寿命化にもつながるという(図10)。

図10●「FBCS」は、すべての蓄電池の状態を監視しつつ、電池特性に合わせて充放電量の制御とインターロックを行う
(出所:東芝三菱電機産業システム・TMEIC)
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 「BMUは、安全面での最後の砦として重要だが、監視するだけで、制御機能はない。FBCSでセルを監視しつつ、PCSで充放電制御することで初めて、システム全体の安定的な運用や劣化の抑制などが実現できる」とTMEICの技術者はいう。

 一般的に、蓄電池メーカーは、セル単体の評価試験データしか提供してくれないという。システムとして安定運用するには、連続充放電による温度特性やセル電圧のバラツキなど、統合的に監視・制御することが重要という。

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