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IHI、相馬市で「再エネ水素」からアンモニア製造(page 3)

メガソーラー電力を自営線供給、余剰分を水素と熱に

2020/06/09 05:00
金子憲治=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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蓄電池の容量を2.5MWhに抑える

 「そうまIHIグリーンエネルギーセンター」の目的の1つであった「再エネの地産地消」については、概ね順調に推移している。

 同センターの再エネ設備の大きな特徴は、メガソーラーを商用系統に連系せず、自営線を通じて外部に供給していることだ。国道をまたいで下水処理場まで、30本もの電柱を立てて、約1.2kmの架空電線を敷設した。このように「自営線」を通じて発電所から電気を供給・販売するサービス形態を「登録特定送配電事業者」という(図7)。

図7●国道をまたいだ自営線を使ってメガソーラーから電力を供給
図7●国道をまたいだ自営線を使ってメガソーラーから電力を供給
(出所:日経BP)
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 1.6MWのメガソーラーの発電量を考えれば、最大約200kWの負荷である下水処理場と完全自立型のマイクログリッドを形成し、下水処理場を太陽光100%で運営することもできそうだ。しかし、そのために夜間や雨天に備え、大容量の蓄電池が必要になり、設備コストが膨らんでしまう。そこで、今回のプロジェクトでは、下水処理場については、東北電力の商用系統との連系は維持し、メガソーラー電力の不足分は買電できるようにした。これにより蓄電池の規模を、出力500kW、容量2.5MWhに抑え、投資負担を減らした。

 ただ、東北電力との協議で、受電点から系統側に送電(逆潮)することは認められていないため、蓄電池への充電や水電解装置、電気ボイラーを含めても、メガソーラーの出力が需要を上回ってしまう場合は、太陽光発電の出力を抑制することになる。

 水電解装置と電気ボイラーの負荷(最大消費電力)は、いずれも約400kWのため、蓄電池への充電を合わせれば、快晴でメガソーラーがフル出力でも、センター内の負荷を総動員できれば、それほど出力を抑制しなくても済むことになる。

 ちなみに水電解装置は、アルカリ型(25Nm3/h・旭化成製)と、固体高分子(PEM)型(30Nm3/h・日立造船製)を採用し、両タイプの特性を検証する。また蓄電池システムはリチウムイオン型で、双方型パワーコンディショナー(500kW・東芝三菱電機産業システム=TMEIC製)を介して、充放電する(図8)。

図8●東芝三菱電機産業システム(TMEIC)の蓄電池用パワーコンディショナー(手前)とリチウムイオン蓄電池を収納したコンテナ(奥)
図8●東芝三菱電機産業システム(TMEIC)の蓄電池用パワーコンディショナー(手前)とリチウムイオン蓄電池を収納したコンテナ(奥)
(出所:日経BP)
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