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徳之島で順調に稼働する「蓄電池併設メガソーラー」(page 3)

産業向け自家消費型太陽光でも蓄電池併設に取り組む

2020/08/25 05:00
金子 憲治=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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TMEIC製の統合制御システム採用

 こうしたメガソーラーと蓄電池を連係したリアルタイム制御は、高度なノウハウが必要になる。そこで、ユニバーサルエコロジーでは、FIT以前から実証事業などで、離島での短周期変動対応の蓄電池システムの構築で実績のあった三菱電機に相談し、全体システムの設計を依頼することにした。

 三菱電機は、これまで離島の変電所内に大型蓄電池を設置し、系統周波数の変動対策に使うシステムを構築してきた。こうした電力系統に直接、連系する「系統蓄電池」では、系統全体の周波数変動を指標にし、蓄電池の充放電をリアルタイムに制御し、周波数変動を緩和する制御手法を採用することが多い。

 一方で、メガソーラーに併設した蓄電池の場合、メガソーラーの出力変動を指標として監視しつつ、その変動を打ち消すように蓄電池の充放電をリアルタイムに制御する必要がある。そのためには、メガソーラーのPCSと蓄電池のPCSの両方を統合管理する上位系のコントローラーが必要になる。

 こうしたタイプのLiイオン蓄電池システムでは、すでにTMEICが「TMBCS(TMEIC蓄電池コントロールシステム)」を製品化していた。TMBCSでは、メガソーラーに設置した多数台のPCSを統合して制御する「メインサイトコントローラー(MSC)」が、蓄電池のPCSとも連係制御し、サイト全体の連系点の発電量をリアルタイムに監視しながら、蓄電池を充放電制御できる。

 三菱電機は、TMEICと連携してTMBCSを今回の蓄電池併設型メガソーラーの基幹システムとして採用した。これまでの離島での大型蓄電池システムの運用経験も加味し、九電の要求する「約5kW/秒」という出力変動の範囲に抑えるシステムを構築した。

 導入した蓄電池は、容量1.029MWhだが、高入出力特性を持つため、定格出力2MWのPCSで制御することで、連系出力である1.75MWと同等の出力を10分以上、余裕で充放電できる。このためメガソーラー出力変動をセンシングし、蓄電池を機敏に充放電させれば、秒単位の急峻な変動を平滑化できる計算だ(図4)。

図4●蓄電池併設型メガソーラーの先駆けとなった(出所:日経BP)
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