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徳之島で順調に稼働する「蓄電池併設メガソーラー」(page 4)

産業向け自家消費型太陽光でも蓄電池併設に取り組む

2020/08/25 05:00
金子 憲治=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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意外に多かったPCSの停止

 こうしたリアルタイム制御の考え方や設計に関して、連系協議の場などで九電に説明し、系統接続を認められたという。

 ユニバーサルエコロジーの石田友則社長によると、2017年3月に系統に連系して運用を開始して以来、短周期変動を緩和するための蓄電池の充放電制御は、順調に機能しているという。実際に「5kW/秒」内の変動幅を達成しているのか、九電が常時監視しているわけでないが、島内系統の周波数への影響に関して問題になったことはないという。

 ユニバーサルエコロジーの塚田隆久取締役技術部長は、今後、注視していきたい点として、蓄電池の劣化度合いを挙げる。「充放電回数が増えるに従って性能が落ちていくなか、11年目にどの程度、設備更新が必要になるのか否か、検討することになる」と言う。

 こうした短周期変動対策のほか、系統規模の小さい離島でのメガソーラー運営には、本土にない苦労も多いという。塚田技術部長によると、これまでのところ離島のメガソーラー運営で予想以上に手間がかかっているのが、九電による出力制御指令への対応と、停電などでPCSが停止した後、手動による再稼働の作業が頻発することという(図5)。

図5●蓄電池制御は稼働以来、順調に推移(出社:日経BP)
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 本土に比べると、相対的に停電が多いことに加え、系統側の電圧が規定値以上に変動することもあり、その場合、PCSの安全装置が働いて停止することもあるという。

 運転停止の場合、保安業務委託している島在住の電気主任技術者が現場で状況を確認後、手動で再稼働の作業を行う。島内に数少ない資格者が他社サイトを含めて複数の太陽光発電所の保安業務を担っているため、再立ち上げに時間を要することもあったという。

 そこで、遠隔による再稼働が可能なシステムを導入し、場合によっては、電気主任技術者が現場に行かなくても、運転を復帰できる体制に変更したという。

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