特集

尼崎にアジア最大の物流施設、屋根上にメガソーラー(page 5)

ESRが建設・運営、環境配慮とレジリエンスで先進性

2021/05/19 12:00
金子憲治=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
印刷用ページ

「2回線受電」でも台風で停電

 トラック用駐車場の隅には、関西電力送配電の特別高圧送電線と連系する鉄塔が2本立っている。尼崎DCの契約電力は最大1万2000kWで7万Vの特高送電線の2系統から受電している。こうした「2回線受電」は、災害などで電力系統の一部が停止した場合、2回線のうち1回線でも送電していれば、受電を継続できる利点がある。

 国内では、特高受電施設のBCP対策として、「2回線受電」が推奨されてきた。逆に言えば、特高受電クラスの大規模施設では、小規模な非常用発電設備を設置しても需要を賄いきれないため、「2回線受電」で済ましてきたという側面もある。

 だが、東日本大震災での大規模停電や北海道でのブラックアウト(全域停電)発生によって、2回線受電によるBCP対策の限界も指摘され始めている。尼崎DCではこうしたレジリエンス対策の流れを先取りして、2回線受電に加え、1000kVAの大型非常用発電機2台を導入し、重油1940ℓをタンクに備蓄している(図8)。

図8●1000kVAの非常用発電設備2台を導入
図8●1000kVAの非常用発電設備2台を導入
(出所:日経BP)
クリックすると拡大した画像が開きます

 ESRによると、建設中だった2018年9月に西日本を襲った台風21号の際は、受電していた2回線とも停電したという。この台風では、関西空港の連絡橋にタンカーが衝突し、空港内にいた利用客や従業員8000人が空港に取り残される事態となるなど、大きな被害となった。このクラスの災害では、やはり非常用発電設備がないと想定するBPCを達成するのは難しいことを痛感したという。

  • 記事ランキング