年間25日も出力抑制
インテグリティ・パートナーズの秋葉正範社長は、「九州のメガソーラーにとって最大の問題は、九州電力による出力制御(出力抑制)が急増していること。FIT開始初期の認定案件の旧ルールを適用されるサイトに対しては、指定ルール適用のサイトに比べて際立って出力抑制が多くなっている」と不満を漏らす。
同社によると、「伊万里市南波多MS発電所」では、2020年度の1年間で合計25日の出力制御指令が出され、その都度、午前8時から午後4時まで稼働を停止した。これによる売電ロスは、単純に日数で計算すると6.8%に達する。
この25日という出力制御の日数は、九州電力が公表している1サイト当たりの制御回数と一致している。
九州本⼟では、2018年度10月から出力抑制が始まった。九電によると、2018年度には延べ26回、1事業者当たり5~6回。2019年度には延べ74回で1事業者当たり旧ルール事業者23~24回、指定ルール事業者15~16回。2020年度の予測値は延べ70~80回で1事業者当たり旧ルール事業者20~25回、指定ルール事業者10~15回という値を公表している(図5)。
「旧ルール」事業者とはFIT開始初期に認定された発電所に適用され、年間の最大出力制御日数が30日を上限としそれを超えた場合は補償される。出力制御の作業は1日8時間を手動(オフライン)により発電事業者が操作する。一方、「指定ルール」事業者は、30日を超えて無制限・無補償の出力制御が課され、九電がオンラインにより時間単位で制御する。