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北海道安平町、「石炭」と「新エネ」で復興!?(page 4)

道の駅「D51ステーション」盛況、「蓄電池併設メガソーラー」運転開始

2021/07/26 19:00
金子憲治=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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蓄電池と太陽光を統合制御

 特別高圧送電線に連系するソーラーパーク2には、電気保安業務を担当する専任の電気主任技術者が必要になる。北海道電力OBの技術者で、現在、東日本フィールドエンジニア(北海道苫小牧市)の増山豊さんがその役割を担っている。

 電気保安業務のベテランである増山さんにとっても、これだけ大容量のリチウムイオン蓄電池の運用を管理するのは初めてという。

 増山さんは、「人間の目では日射量の変化をそれほど感じられなくても、太陽光パネルは、雲の動きなどによる日照の変化に応じて敏感に出力が変動している。これまでは、その変動分をすべて電力系統が吸収してきたが、需要が少ない地域では系統側の対応力にも限界があり、これからの太陽光は、蓄電池を使ってこうした出力変動を緩和して、系統への負担を減らすことが重要になる」と話す。

 蓄電池は、1つの筐体(エンクロージャー)に出力1MW分のシステムを収納し、LG化学製の蓄電池セル(充放電素子)と、交流と直流を双方向で変換できるTMEIC製PCSで構成されている。各筐体は、エアコン3台が装備されており、温度を一定に維持している。

 連系変電設備の横に、34もの筐体がずらりと並んだ様子は壮観だ。「これら蓄電池システムとメガソーラー全体をまとめて制御している、発電所の心臓部がこの小さな制御システムです」。増山さんがこう説明するのが、「メインサイトコントローラー」だ(図8)。

図8●蓄電池併設メガソーラーの心臓部である「メインサイトコントローラー」
図8●蓄電池併設メガソーラーの心臓部である「メインサイトコントローラー」
(出所:日経BP)
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 ソーラーパーク2では、まずTMEICの開発した「TMBCS(TMEIC蓄電池コントロールシステム)」が蓄電池システム全体を制御する。「メインサイトコントローラー(MSC)」は、メガソーラーのPCSとTMBCSを統合管理する最上位の制御システムになる。MSCは、サイト全体の連系点の送電量をリアルタイムに監視しながら、太陽光の急峻な出力変動を緩和する方向で、蓄電池を充放電制御しつつ、それでも「変動率毎分1%」が達成できないと判断した場合は、メガソーラー側の出力を抑制する。

 「MSCによって、最後の手段としてメガソーラー側の出力を機敏に抑制できることで、変動率毎分1%の達成可能性がかなり高まる。稼働して約1年経つが、変動率毎分1%を逸脱したことはほとんどない」と言う。

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