特集

メガソーラーからV2Hへ、地域の脱炭素・防災に貢献

地域の再エネと未利用熱を組み合わせ最適制御

2021/10/15 19:00
金子 憲治=日経BP総研 クリーンテックラボ
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エネルギーと食糧の「永続地帯」

 福島県川内村は、住み続けるために必要なエネルギーと食糧を地域で生み出すことができる数少ない市町村になっている。これは、千葉大学の倉阪研究室が公表している「永続地帯報告書」によるもので、自治体ごとに、エネルギーと食糧の生産量が地域の需要をどの程度、賄えるのか調査分析している。

 2020年度の報告書では、エネルギーと食糧の両方を地域で生み出せる「永続地帯」を達成した市町村は全国で80しかなく、そのうちの1つが川内村だ。

 同村は、阿武隈高地の中央に位置し、畜産や高原野菜など農業が盛んだ。福島第一原発から15~30kmほどの距離にあり、東日本大震災後の原発事故を受け、全住民が避難した。だが、ほかの原発周辺の自治体に比べ放射線物質の飛散は相対的に少なく、2014年10月には村の大半で避難指示が解除され、現在までに帰村率は8割を超えた。

 川内村が、エネルギーでも「永続地帯」になったのは、原発事故の後、放射性物質汚染に配慮して未利用になっていた採草地などに積極的にメガソーラー(大規模太陽光発電所)を誘致したからだ。いまでは居住人口2000人足らずの村内に60MW以上の太陽光発電が稼働し、今後も大規模なウインドファーム(大規模風力発電所)が稼働する予定だ。

 こうした同村の再エネ集積化の先陣を切ったのが、2016年2月に稼働した「かえるかわうちメガソーラー発電所」だ。村のなかでも原発に近い下川内地区の山間にあり、連系出力1.99MW、太陽光パネルの合計出力2.619MWになる(図1)。

図1●「かえるかわうちメガソーラー発電所」の全景
図1●「かえるかわうちメガソーラー発電所」の全景
(出所:エナジア、稼働当初)
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