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国内初の洋上ウインドファーム着工、港湾に33の基礎(page 4)

秋田港・能代港でSEP船が稼働、2022年に風車組み立て開始

2021/12/22 09:46
宇野麻由子=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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O&M事務所は能代、アクセス船を新造

 操業開始後の運用管理・保守点検(オペレーション・メンテナンス=O&M)に向けた事務所は、風車基数の多い能代港に配置する。O&Mは主に2つの分野に分けられる。1つは風車などの風力発電設備、もう1つは基礎などのそのほかの部分だ(図5)。

図5●AOW風みらい館に展示された能代港湾の風力発電所の完成予想ジオラマ。20基の風車を設置する
図5●AOW風みらい館に展示された能代港湾の風力発電所の完成予想ジオラマ。20基の風車を設置する
(出所:日経BP)
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 特に対応が必要となるのは風力発電設備で、当初はメーカー長期保証としてヴェスタスが担当する。一般的な風力発電設備と同様、同事業では秋田洋上風力発電がヴェスタスに対して稼働率保証としてメンテナンス保証料を支払うことで、ヴェスタスが発電可能な風況の際での稼働率を保証し、それを下回ると秋田洋上風力発電には損害金が支払われる仕組みを採用する。保証稼働率を維持できるよう、ヴェスタスは遠隔および現場モニタリングに20人ほどスタッフを確保し、能代港のO&M事務所などに配置する予定だ。

 従来、メーカー長期保証は5年が標準だったが、最近はメンテナンス保証料を抑えるなどの目的で少ない場合は2年になっているという。逆に状況の予測が難しい場合など、長いケースでは10年ほどになるとする。今回の事業でのメーカー長期保証の期間について、秋田洋上風力発電は明らかにしていないが、一定の長期保証期間後は自社で部品在庫を持ちつつ、メンテナンスについてはヴェスタスとスポット契約で対応する選択肢も持っているという。

 そのほかの部分については、基本的には20年間、定期的なメンテナンスで使用できるとしており、モニタリング作業が中心となる。こちらについては、関係する事業者に包括委託する予定だ。また、作業員を輸送するためのアクセス船(Crew Transfer Vessel=CVT)については、秋田港湾と能代港湾に対してそれぞれ1隻ずつを新造する。20年間という長期にわたり船員も確保する必要があり、地元の人材をフル活用する予定とする。

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