特集

国内初の洋上ウインドファーム着工、港湾に33の基礎(page 5)

秋田港・能代港でSEP船が稼働、2022年に風車組み立て開始

2021/12/22 09:46
宇野麻由子=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
印刷用ページ

国内調達比率は約20%に留まる

 新規産業として注目を集める洋上風力発電では、国内サプライチェーン形成を目的として、ライフタイム全体での国内調達比率を2040年までに60%にするとの業界目標が掲げられている。これに対して、今回の事業の国内調達比率は20%程度と見積られている。陸上の送変電設備と海底ケーブルがほぼ日本製だが、いわゆる洋上発電に関する部分はほぼすべて海外製で、工事についてもSEP船は海外企業を利用しているからだ。

 国内調達比率60%を達成するには、まだしばらく時間がかかりそうだ。例えば風車については、2021年5月にGEリニューアブルエナジーと東芝エネルギーシステムズが戦略的提携契約の締結を発表しているものの、実際にナセルの組み立てが日本で行われるようになるには少し先になるとみられる。ただし、こうした風車の組み立てに加えて、基礎部分とモノパイル、SEP船などを日本製にできれば、国内調達5割以上は達成できるのではないかと期待され、目標に向けた見通しは立ちそうだ。

 欧州では洋上風力の買取価格が約10年前の30円/kWhから10円/kWhを切るなど、急激に低下している。日本の場合も、国内調達率を上げることで設備に関する輸送コストが下がり、洋上風力の価格低減へとつなげられる可能性がある(図6)。

図6●飯島サンセットパークから見られる陸上風力発電施設。秋田港周辺は秋田潟上ウインドファームなど、陸上風力発電施設が集中している地域で、風力関連産業の集積も期待される
図6●飯島サンセットパークから見られる陸上風力発電施設。秋田港周辺は秋田潟上ウインドファームなど、陸上風力発電施設が集中している地域で、風力関連産業の集積も期待される
(出所:日経BP)
クリックすると拡大した画像が開きます
  • 記事ランキング