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北九州市、「再エネ水素」の製造・運用を実証(page 2)

IHI、太陽光・風力・ごみ発電から低コストで水素製造

2022/03/03 05:00
金子憲治=日経BP総合研究所 クリーンテックラボ
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「グレー水素」から「グリーン水素」へ

 こうしたなか、北九州市などは、2021年5月から、「CO2フリー水素製造・供給実証事業」を開始した。これは、既存の再生可能エネルギーを活用した「グリーン水素」利用の低コスト化を目指す環境省の補助事業に採択されたものだ。

 同事業では、 福岡県と北九州市、同市などが出資して設立した新電力会社である北九州パワー、そしてIHI、福岡酸素、ENEOSが参加し、地域の再生可能エネルギーを活用してCO2フリー水素を製造・供給する実証事業に取り組む。2021年11月25日から、ごみ発電(バイオマス)・太陽光・風力の3つの再エネ電源を同時に制御する「水電解活用型エネルギーマネジメントシステム」を活用して水素を製造する実証試験を開始した(図3)。

図3●「CO<sub>2</sub>フリー水素製造・供給実証事業」のイメージ
図3●「CO2フリー水素製造・供給実証事業」のイメージ
(出所:北九州市)
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 同実証事業においてIHIは、2020年度から同システムの開発に取り掛かり、北九州市響灘地区に水素製造設備の設置を進めてきた。水素を製造する水電解装置は固体高分子型で、約65kWhの電力から約10Nm3/hの水素を製造できる。使用する再エネ電源は、フジプレアム製の追尾型太陽光発電(定格出力45kW)と、リアムウィンド(福岡市)が九州大学と連携して製造したマルチレンズ風車(定格出力9kW)のほか、ごみ発電は、もともと北九州パワーが調達して販売している市内3カ所のごみ焼却工場の付帯設備になる(図4)(図5)。

図4●フジプレアム製の追尾型太陽光発電
図4●フジプレアム製の追尾型太陽光発電
(出所:日経BP)
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図5●リアムウィンドが九州大学と連携して製造したマルチレンズ風車
図5●リアムウィンドが九州大学と連携して製造したマルチレンズ風車
(出所:日経BP)
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 このうち太陽光と風力は水素製造装置を設置したエリアに隣接した敷地にあり、発電した電気は自営線で水素製造装置に送電する。また、ごみ発電については、九州電力送配電の電力系統を通じて、託送の仕組みで給電を受ける形になる。

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