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北九州市、「再エネ水素」の製造・運用を実証(page 3)

IHI、太陽光・風力・ごみ発電から低コストで水素製造

2022/03/03 05:00
金子憲治=日経BP総合研究所 クリーンテックラボ
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「電化」の次は「水素」

 水素製造装置の設置された響灘地区には、北九州市の第三セクター・ひびき灘開発と東レエンジニアリングの共同出資による出力約1.5MWのメガソーラーと、東レエンジニアリングとフジプレアムの共同出資による約6MWのメガソーラーが運営されている。太陽光パネルはすべてフジプレアム製で、そのうち45kW分が追尾型システム、パワーコンディショナー(PCS)は東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製を採用している。

 これら合計7.5MWのメガソーラーでは、2014~15年にかけ、「ゼロエミション交通システム」と呼ばれる実証事業が実施された。これは、メガソーラーに併設して急速充電器と大型蓄電池を設置し、太陽光発電の電気を直接、電気バスに充電し、路線バスとして市内で運行したものだ(図6)。

図6●「ゼロエミション交通システム」では太陽光の電気を直接、バスに充電した
図6●「ゼロエミション交通システム」では太陽光の電気を直接、バスに充電した
(出所:日経BP)
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 今回の「CO2フリー水素製造・供給実証事業」は、「ゼロエミ交通システム」の設備を設置した場所を再び実証事業に活用した。45kW分の追尾型太陽光システムは、東レエンジニアリングとフジプレアムの共同出資による約6MWのメガソーラーの一部になる。

 前回の「ゼロエミ交通システム」では、再エネの電気をそのまま電気バスに充電したが、今回の実証では、再エネ電気で水素を製造し、FCVや定置型燃料電池システムで利用する。脱炭素を実現するキーテクノロジーとして「電化」と「水素」が注目されるが、響灘地区のメガソーラーは、その両方の実験場として活用されることになる(図7)(図8)。

図7●「CO<sub>2</sub>フリー水素製造・供給実証事業」で設置した水電解装置
図7●「CO2フリー水素製造・供給実証事業」で設置した水電解装置
(出所:日経BP)
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図8●「CO<sub>2</sub>フリー水素製造・供給実証事業」で設置した水素ホルダー
図8●「CO2フリー水素製造・供給実証事業」で設置した水素ホルダー
(出所:日経BP)
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