「太陽光発電への法定外目的税に反対」、JPEAが表明

2019/06/24 21:58
金子憲治=日経BP総研 クリーンテックラボ、工藤宗介=技術ライター

 一般社団法人・太陽光発電協会(JPEA)は6月20日、自治体による太陽光発電への法定外目的税導入に反対する立場を表明した。同協会が掲げる2050年における国内の太陽光発電の稼働設備容量200GW(電源構成の約20%)という目標達成の足かせになり、国と地域にもたらされる便益にも影響するとの懸念を示した。

 太陽光発電への法定外目的税を検討しているのは岡山県美作市。事業用太陽光発電所のパネル設置面積に応じ、発電事業者に課税する「事業用発電パネル税(仮称)」の導入を目指し、6月中に条例案を議会に提出する準備を進めている(関連記事:美作市、「太陽光パネル新税」の導入目指し、議会に条例案提出へ)。

美作市内のメガソーラー
(出所:日経BP)
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 JPEAは、太陽光発電所に対する法定外目的税が創設され、全国の自治体に波及した場合、以下の課題を指摘する。(1)太陽光発電事業にとって法人事業税や固定資産税に追加した二重の税負担になり新規投資や事業継続の意欲が削がれる。(2)他の発電事業とのイコールフッティングが損なわれ公平な競争が妨げられる。(3)既存設備の想定収益の確保が難しくなり借入金の返済計画などの変更を迫られる恐れがあるーー。

 また、固定価格買取制度(FIT)による売電単価が下がっている太陽光発電の場合、売電収入に対する税負担割合が大きくなる点も危惧している。税率をパネル設置面積1m2あたり50円と仮定した場合、1kWhの売電収入に対し約0.3円の税負担になると試算される。これは、2019年度の事業用太陽光発電(500kW未満)の売電単価14円/kWhの場合、売電収入の2%に相当する。

 今後、さらに売電単価が下がっていけば、それだけ税負担割合が増え、自立化に向けて努力している事業者の採算性に与える影響はより大きくなる。太陽光発電を国の主力電源とするには、FITによる買取期間が終了した後も長期安定的に稼働させることが重要であり、同税が導入されれば事業継続や再投資への意欲が削がれ、長期安定稼働の妨げにとなる恐れがあるとしている。

 同日開催された、自由民主党再生可能エネルギー普及拡大議員連盟の総会において、同協会の鈴木伸一理事ら3人が出席し、太陽光発電への法定外目的税の導入について意見表明を行った。

電源開発促進税との比較
(出所:JPEA)
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