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東芝、タンデム型太陽電池で効率23.8%、低コスト化も容易

2019/06/25 20:24
工藤宗介=技術ライター
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タンデム型太陽電池の構成概略図
(出所:東芝)
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透過型Cu2O太陽電池(小型セル・サイズ25mm角)
(出所:東芝)
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 東芝は6月18日、透過型亜酸化銅(Cu2O)を用いたタンデム型太陽電池において、現在広く普及している結晶シリコン(Si)太陽電池単体を上回る発電効率23.8%を達成したと発表した。Cu2Oは、地球上に豊富に存在する銅酸化物のため低コスト化が期待できるという。

 タンデム型太陽電池は、異なる性質の太陽電池セル(発電素子)をボトムセルとトップセルとして重ね合わせ、両方のセルで発電することで全体の発電効率を向上させる。これまでにガリウムヒ素半導体などを用いた発電効率30%台のタンデム型太陽電池が製品化されているが、結晶Si単体と比べて製造コストが数百倍~数千倍と高いことが課題だった。

 東芝は、1月にCu2Oを用いたセルの透明化に成功し、透過型Cu2O太陽電池をトップセルに用いたタンデム懸太陽電池を開発。透過型Cu2O太陽電池は、短波長光を吸収して発電し、長波長光を約80%透過する。発電効率はトップセルが4.4%、ボトムセルが17.6%、全体で22%と、結晶Si単体とほぼ同等だった。

 今回、透過型Cu2O太陽電池で新しいn型酸化物半導体材料を適用することで、p層のCu2O薄膜とn層の界面に生じる電位差を小さくして発電効率を向上させた。今後、n層をさらに適正化し、エネルギーの損失を減らすことで、より高い発電効率の実現が期待できるという。同社は3年後に効率30%台の実現に向けて研究開発を進めていくとしている。

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