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栃木県、無人の太陽光発電所も「地方税の対象に」、国に要望

2019/06/27 23:58
金子憲治=日経BP総研 クリーンテックラボ
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栃木県内に稼働する太陽光発電所
(出所:日経BP)
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 栃木県は、敷地内に常駐者のいない太陽光発電所にも課税できるよう税制改正を国に要望する。同県では、国に対し毎年6月に「国の施策等に関する提案・要望」を提出している。今回の「令和2(2020)年度」版に初めて、要望に加えた。6月6日に要望内容を公表した。

 県の徴収する地方税である法人二税(法人住民税、法人事業税)が課税できるように地方税法の改正を求めていく。同県税務課によると、栃木県内には約100の事業者が太陽光発電事業を行っているが、半数以上の施設では常駐者がおらず、県外に本社を置く企業が事業主体になっているという。

 現行制度では、従業員がいない施設に対しては、その立地の都道府県が課税できず、本社機能のある都道府県が課税することになる。このため、本社の多く集まる東京都や大阪府などに税収が集まっている。

 法人二税の電気供給業への課税では、従来、大規模な火力発電所や水力発電所を想定しており、常駐者がいるため、その立地の都道府県も課税できた。固定価格買取制度(FIT)によって急増した太陽光発電所の多くは、常駐する管理者がいないことから、こうした施設を所有する事業者に対しても、課税できるように地方税の見直しを求める。

 電気供給業への法人二税の課税は、利益ではなく、売電収入に課税できることになっているため、安定的な税収が見込まれる。栃木県の試算によると、今回の要望が実現した場合、県が新たに得られる税収は年間で約1億円になるという。

 仮に今回の地方税制の見直し要望が実現しても、法人二税の納税先の一部が、発電事業者の本社所在・都道府県から、発電所の立地・都道府県に変わるだけなので、太陽光発電事業者にとっては、新たに税負担が増すわけではない。

 太陽光発電所に対する自治体の課税では、市町村が毎年、固定資産税を徴収できる一方、都道府県では、土地売買のあった場合に不動産取得税を1回課税できるだけだった。今回の税制改正が認められれば、都道府県にも毎年、太陽光施設からの税収が期待できることになる。

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