ニュース

三菱重工、「再エネ+蓄電池+ガス発電」で安定的に自立給電

2019/06/28 11:26
工藤宗介=技術ライター
印刷用ページ
相模原工場内に設置した実証設備「トリプルハイブリッド発電所」
(出所:三菱重工エンジン&ターボチャージャ)
クリックすると拡大した画像が開きます

 三菱重工エンジン&ターボチャージャ(MHIET、神奈川県相模原市)は6月24日、太陽光などの再生可能エネルギー発電とレシプロエンジン発電、蓄電池を組み合わせた「トリプルハイブリッド自立給電システム」を開発したと発表した。同社本社のある相模原工場内に実証設備「トリプルハイブリッド発電所」を稼働した。

 再エネ電力の安定供給を実現する調整力や、地震や風水害などの災害対策としての自立可能な分散型電源といった、多様な電力供給ニーズに応える。発電設備「EBLOX(イブロックス)」、制御システム「COORDY(コーディー)」から構成される。

 不安定な再エネ電力を3種の電源を組み合わせることで安定化できるのが特徴。再エネ電力の変動を蓄電池で吸収して平準化させるとともに、天候や昼夜の時間帯の変化に発電量が左右されないディーゼルエンジンやガスエンジンによる発電でバックアップする仕組み。

 多様な電源の組み合わせに対応して構成機器の運用を最適化することで運用コストを低減した。蓄電池のインバーターには、電源ミックスによる並列運転時に発生する負荷のアンバランスや突発的な変動への安定化能力を備えたという。蓄電池の素早い充放電機能を活用し、商用系統との連系においてもエンジンと蓄電池のダブルハイブリッドシステムとして、給電時間の短縮や今後の需給調整で要求される調整力の高速応答を実現する。

 相模原工場内に設置したトリプルハイブリッド発電所は、300kW級の太陽光発電設備、500kW×0.5時間の蓄電池設備、500kWのガスエンジン発電設備、付属機器および制御システムから構成される。太陽光パネルは中国インリーソーラー製、蓄電池は台湾デルタ電子製、ガスエンジン発電機は三菱重工エンジン&ターボチャージャ製、太陽光パネルと蓄電池のパワーコンディショナー(PCS)はともにデルタ電子製を採用した。

 実証運転では、工場内の電力系統とは切り離された状態で検証する。多様な自立運転試験を行えるように可変負荷抵抗器も備えた。実証が終了した後は工場内に電力を供給する予定で、相模原工場の電力需要の5%程度を賄う見込み。太陽光発電による年間発電量は約305MWhと予想され、年間約140tのCO2削減が見込まれる。

  • 記事ランキング