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「太陽光ミニグリッドが5億人を電化」、世銀の調査

2019/07/02 12:34
大場 淳一=日経BP総研 クリーンテックラボ
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 世界銀行は6月25日、太陽光発電システムに基づく「ミニグリッド」によって2030年までに5億人に電気を供給することが可能になると発表した。

 世銀が刊行した調査報告書「Mini Grids for Half a Billion People(5億人のためのミニグリッド)」によるもの(図1)。

図1●世界銀行が刊行したミニグリッドの調査報告書「Mini Grids for Half a Billion People」の表紙
(出所:World Bank)
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 ミニグリッドはこれまで、ニッチ分野のソリューションとしか見なされなかったが、エネルギーアクセスにおける地域格差の解消に有効な手段になるという(図2)。コストダウンが進み、サービス品質が大幅に向上すると共に、適切な政策が導入されることで、ミニグリッドは電力網の拡張や住宅用太陽光発電システムを補完しうる選択肢になったとしている。

 ミニグリッドを電力網や住宅用太陽光発電システムと比較した場合、人口密度が高く電力需要が中程度の地域に対して、より適したソリューションになるという。遠方の地域に電力を供給する場合、送電線の敷設は極めて高コストとなることが多いためである。

 現在ミニグリッドのほとんどはアジアで導入が進んでおり、今後計画中のものはアフリカ向けが大半のシェアを占めるという(関連記事1)。

図2●アジアやアフリカの未電化地域で導入が進む太陽光ミニグリッドの概要。バックアップ用ディーゼル発電機、定置型Liイオン畜電池、スマートメーターなどを装備している
(出所:World Bank)
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 アジア・アフリカの両地域で電化率が低水準の国々において、ミニグリッドの投資総額は、現在50億ドルに上るという。2030年までにこれらの地域の5億人に電力を供給するためには、21万件のミニグリッド、費用総額2200億ドルが必要と見込む。

 世界各国でミニグリッドの普及を進めるためには、民間からの投資を積極的に呼び込む必要がある。そのためには、包括的な電化プログラムを支える政策の導入、持続可能なビジネスモデル、実績ベースの補助金といった公的な資金供給などが有効としている。

 世銀は現在、33カ国で37件のミニグリッド・プロジェクトに対して総額6億6000万ドル以上を支援しており、レバレッジ効果による民間からのさらなる協調融資11億ドルを見込む(関連記事2)。

 世銀でエネルギー・資源を担当するRiccardo Pulitiシニアディレクターは、「エネルギーアクセスの格差を解消するうえで、現在ミニグリッドは核となるソリューションの1つだ。ミニグリッドの大規模な開発は非常に有望で、公的および民間の投資を積極的に呼び込むためにさまざまな国々と連携している」と述べている。

 また、ミニグリッドは電化を進めるうえでコスト効率に優れる以外にも多くの利点があるとする。例えば、太陽光ベースのミニグリッド21万件によって、世界全体の温室効果ガス排出量を15億t抑制する効果が見込めるとしている。

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