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「卒FIT」太陽光向け買取単価が出揃う、一覧表から傾向を分析(page 2)

新電力が約2円高め、エリア別では「東高西低」

2019/07/05 02:00
金子 憲治=日経BP総研 クリーンテックラボ、工藤 宗介=技術ライター
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旧一般電力は7~8円、新電力は8~10円

 これまでに公表された買取単価を見ると、条件やエリアによってかなり異なるものの、条件設定のない余剰買取の「基本サービス」では、概ね旧一般電気事業者は7~8円/kWh程度、新電力は8~10円/kWh程度が中心価格帯になっている。一覧表は、本記事の最終ページに掲載した。

 地域別では、需要に占める太陽光発電電力の比率が多くなる傾向のある南のエリアほど買取単価が低くなる傾向がある。これは日本卸電力取引所(JEPX)の昼間時間帯のエリアプライスを反映していると見られる。地域間連系線の制約からエリア間の値差が生じる国内の電力卸市場の課題を表しているとも言える。

 特に、2018年から事業用太陽光に対する出力制御を実施している九州エリアでは、出力制御指令の出る春秋の昼間軽負荷期には、市場価格はゼロ円近くまで下がるため、FIT外で太陽光を数円で購入した場合、その時間帯は確実に逆ザヤが発生することになる。

 九州電力が7円/kWh(以下同)に設定したほか、全国展開するエネットは東日本エリア9.3円、西日本エリア8.4円、九州エリア7.2円とした(図3)。また、出光昭和シェルとソーラーフロンティアは、九州エリア7.5円、その他のエリア8.5円に設定している。

図3●エネットは3エリア別に買取単価を設定
(出所:エネット)
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 それとは逆に、東日本ではベースとなる需要が大きく、相対的に昼間軽負荷期にも太陽光の電力を受け入れやすい。東京エリアと同エリアとの連動制が高い東北エリアのJEPXのプライスは、これまでのところ昼間帯の低下度合いが小さい。このため東電エナジーパートナーが8.5円、東北電力が9円と旧一般電気事業者のなかで最高値となっている。

 ちなみに、新電力のダイレクトパワー(東京都新宿区)は、7月3日現在、詳細な買取サービス体系を発表していないが、JEPXの仕入れ価格に可能な限り近い価格での買い取りを表明している。同社によると、2017年の平均仕入れ価格(関東エリアプライス)は10.15円/kWhだったという。

 こうしたエリアによる買取単価を表にしてみると、概ねそのエリアの旧一般電気事業者の単価を底値に、関東では8~10円、中部では7~10円、関西では8~10円、九州では7~10円となっており、旧一般電気事業者と新電力間の差は、最大で2~3円となっている(図4)。基本サービスにおいてこうした差が出るのは、インバランスリスクの考え方のほか、環境価値を収益につなげていく事業モデル、そして買取サービスをほかのビジネスにつなげる事業戦略の違いなどが背景にありそうだ。

図4●主要エリア別の買取・基本サービス単価の一覧
(出所:日経BP メガソーラービジネス)
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