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「卒FIT」太陽光向け買取単価が出揃う、一覧表から傾向を分析(page 3)

新電力が約2円高め、エリア別では「東高西低」

2019/07/05 02:00
金子 憲治=日経BP総研 クリーンテックラボ、工藤 宗介=技術ライター
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高額買取で電力小売りの新規開拓

 新電力各社は、「卒FIT」太陽光の余剰買取を表明していない事業者も多いものの、買取サービスを公表した企業は旧一般電気事業者よりも高めの設定が目立つ。これは、電力小売り事業の販促策としての意味合いも持たせているからと思われる。

 本来、余剰電力の買取契約(基本サービス)と電気小売り契約は別のもので、それぞれ異なる事業者を選ぶことも可能だが、新電力の場合、両契約をセットにすることを前提に買取単価を設定しているケースが多い。すでに小売り契約している顧客を囲い込んだり、余剰買取契約を機に電力小売りの顧客として新規に開拓したりすることを狙っている。

 この背景には、太陽光設備を設置している戸建て住宅は、相対的に建屋規模が大きく家族構成や電力消費量が多い傾向にあることから、電力小売りのターゲットとして収益性が高いであろうとの読みもありそうだ。

 東急パワーサプライが自社電力小売りとの契約を前提に10.9円という関東圏では最高値の水準を設定しているのを始め、東京ガスが10.5円、東邦ガスと大阪ガスが9.5円、市民生活協同組合ならコープが11円、宮崎電力が10円など、いずれも自社の電力小売り契約を前提に高めの単価を設定している(図5)。

図5●東急パワーサプライは、業界トップクラスの買取単価をアピール
(出所:東急パワーサプライ)
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 一方、ハウスメーカーによる余剰電力買取サービスは、既存の自社住宅オーナーへのサービスという側面が強い。積水ハウスと積水化学工業、旭化成ホームズは、それぞれ自社で販売する太陽光発電設置住宅の顧客向けに余剰電力の買い取りを行う。買取単価は、積水ハウス11円、旭化成ホームズ10円(蓄電池なし)、積水化学工業9円(蓄電池なし)となっている。

 ただ、これら買取サービスを表明したハウスメーカーは、買い取った電力を自社の事業所や展示場などで活用する方針をとっており、環境価値のある「卒FIT」電力の利用を自社のCO2削減策として位置づけている。

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