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「卒FIT」太陽光向け買取単価が出揃う、一覧表から傾向を分析(page 4)

新電力が約2円高め、エリア別では「東高西低」

2019/07/05 02:00
金子 憲治=日経BP総研 クリーンテックラボ、工藤 宗介=技術ライター
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「仮想蓄電池サービス」とは?

 ほとんどの旧一般電気事業者は、通常の買取契約のほかにも、顧客の余剰電力を一時的に預かる「仮想蓄電池サービス」を用意した。同サービスでは、預かった余剰電力を、太陽光発電が利用できない時間帯などで自家消費されたものとみなして、月額の電気料金から差し引く。結果的に、顧客宅に蓄電池を導入した時と似たような効果が期待できる。

 差し引き電力の算定方式は、東北電力では月当たりの上限を超えた電力は翌月に繰り越し、四国電力では上限を超えた電力を買い取り、中国電力や北陸電力では料金区分や使用時間ごとに買取単価を定めて単価の高い料金区分から順に割り当てるなど、事業者によって異なる(図6)(図7)。また、東北電力や四国電力では、月額利用料金を設定している。

図6●四国電力の仮想蓄電池サービス「ためトクサービス」のイメージ
(出所:四国電力)
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図7●「ためトクサービス」を適用した場合の電気料金(税込・季節別時間帯別電灯の場合)
(出所:四国電力)
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 「仮想蓄電池サービス」は、余剰電力の「みなし蓄電量」を電気料金から差し引く仕組みのため、余剰電力の売電先と電気小売り事業者は同じ事業者になる。その意味では、新電力各社の電力小売り契約とのセットによる囲い込みという側面を持つ。

 ただ、発表された「仮想蓄電池サービス」を見ると、顧客のライフスタイルや電気料金プランによっては、みなし蓄電量から差し引いた電気料金単価がシンプルな余剰電力買取単価より低くなってしまうケースも考えられる。「卒FIT」住宅オーナーにとっては、どちらが経済的に有利か、十分に検討する必要がある。

 このほかにも、旧一般電気事業者各社とも余剰電力の自家消費を希望する顧客向けに蓄電池やヒートポンプ給湯機の販売・リース契約の提案を行っていくことも表明している。旧一般電気事業者以外でも、ハウスメーカーが蓄電池の設置を想定したり、シェアリングエネルギーも蓄電池の販売を表明している。

 そして、各社とも、こうしたエネルギー関連機器を設置した場合の買取単価を高めに設定している。積水化学工業と旭化成ホームズが12円を付けている。典型的なのがパナソニックで、蓄電池とその遠隔監視装置、ヒートポンプ給湯機などのフルセットで16円(東日本エリア)という高値を設定した。ただ、この単価の適用は1年間限定なので、エネルギー機器販売を奨励するキャッシュバックのような意味合いを持つと言えそうだ。

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