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太陽光発電の高精度予測モデル、デンマークの研究者が開発

2019/07/08 15:34
大場 淳一=日経BP総研 クリーンテックラボ
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 デンマークのオーフス大学工学部は7月1日、過去38年間にわたる世界中の日照量、天候や気温のデータと、欧州における太陽光発電の過去の発電電力量データを比較分析することにより、高精度な太陽光発電の電力量予測モデルを開発、一般公開したと発表した(図1)。

図1●2013~2017年の欧州における太陽光発電の発電電力量を表すデータ。小さな四角形の各々が各週の発電電力量を示しており、明るい箇所ほど発電電力量が多かったことを表しているという
(出所:Marta Victoria助教授)
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 日照量や天候、気温については、40km×40kmの空間分解能で世界全体のデータを収集した。発電電力量の予測は、単一の太陽光発電システムだけではなく、国全体または大陸全体といった単位でも可能という。

 同モデルの時系列データは、学術的なオープンデータを共有・集積するサイト「Zenodo」に「クリエイティブ・コモンズ・ライセンス【表示4.0国際】」の下で公開されている。また、同プロジェクトの結果を詳細に記述した論文は、「Progress in Photovoltaics」誌に掲載されている。

 同プロジェクトを主導したMarta Victoria助教授は、「このプロジェクトでは、世界全体から地域的・局所的なレベルまでをカバーし、任意の地点における太陽光発電の電力量をシステム構成ごとに高精度で予測可能なモデルを作った。今回の成果は、未来のエネルギーシステムが最適に機能するよう設計するうえで極めて重要だ」と述べている(図2)。

図2●オーフス大学工学部のMarta Victoria助教授
(出所:Lars Kruse/オーフス大学)
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 また、同教授は「クリーンなエネルギーを低コストで作ることは、もはや問題ではない。過去10~20年にわたって太陽光発電のコストは大幅に下落し、この分野への投資は大幅に増加している。現在の課題は、膨大な数の小規模な太陽光発電から供給される電力とすべての電力需要とをどのように結びつけるかだ」と指摘する。

 同プロジェクトはデンマーク政府が主導する「RE-Invest」プロジェクトの一環であり、「デンマーク・イノベーション基金」による支援を受けて進められた。

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