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太陽光の電力を直流で照明に給電、竹中工務店が構築

2019/07/17 14:49
工藤宗介=技術ライター
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 竹中工務店は7月3日、オフィス照明への直流給電システムを商業ビルに導入したと発表した。独自に開発したエネルギー管理システム「I.SEM」を用いたもので、栗原工業(大阪市)の事務所ビル「栗原工業ビル」に導入した。

栗原工業ビル
(出所:竹中工務店)
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 同社によると、BCP(事業継続計画)に対応し、デマンドレスポンス(需要応答)と直流給電を組み合わせたシステムとしては、全国初という。

 今回導入した「I.SEM+DCPS(Direct Current Powered System)」は、太陽光パネル(出力10kW)や蓄電池(容量72kWh)、電気自動車などの分散電源を直流電力のまま取り込み、エネルギー管理やエネルギーコストの最小化、再生可能エネルギーの利用、BCP対応のための合理的なエネルギー利用を可能にするという。

I.SEM+DCPSの概要
(出所:竹中工務店)
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 ビル内の構内配電網は一般的に交流のため、電気機器を動作させる際に「直流→交流→直流」に変換する過程でロスが発生する。今回のシステム導入で、災害時に拠点となる3階の照明器具に直流給電することで変換ロスを定格時約10%低減した。照明器具はパナソニックに依頼して新開発したものを採用した。太陽光パネルと蓄電池のメーカーは非公表。

停電時の電力供給フロー
(出所:竹中工務店)
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 栗原工業ビルは地上8階・地下1階の鉄骨造で、竹中工務店が設計・施工した。直流給電システなどの事業継続性とCO2削減を両立する計画が評価され、国土交通省の「平成29年度第1回サステナブル建築物等先導事業《省CO2先導型》」の一般部門に採択された。竣工は2019年3月。

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