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太陽光の発電量をAIで推定、予測コンテストで優勝

2019/07/18 15:04
工藤宗介=技術ライター
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 東芝は7月17日、独自のAI(人工知能)を活用した高精度な太陽光発電量の予測技術を開発したと発表した。太陽光発電設備の性能や設置条件が不明な場合でも過去の発電実績をもとにAIで性能や設置条件を推定することで、同技術適用前と比べて予測誤差を約9.8%改善した。今後、電力事業者の需給運用を支えるサービスへの適用を目指す。

 同技術は、日照強度・気温・風速・降雪・太陽光の反射率などの発電量に関連する予測値を活用することで、説明性の高い予測モデルが構築できるのが特徴。基になる予測値は、同社が独自に運用する数値気象予報モデルを用いた予測システムから得る。

 特に発電量への寄与が高い日照強度は、予測値からAIへ実測値をフィードバックすることで予測誤差の傾向を学習して予測精度を高めた。太陽光発電設備の性能や設置条件が不明な場合でも、工学モデルとスパースモデリングやアンサンブル学習などの機械学習を融合することで過去の実績データから条件推定するAIを開発し、予測誤差を改善した。

今回開発した太陽光発電量予測技術の概要
(出所:東芝)
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 なお、同技術は、東京電力ホールディングスと北海道電力が共同開催した「太陽光発電量予測技術コンテスト『PV in HOKKAIDO』」において、応募約70団体の中からグランプリを受賞した。北海道電力が保有する過去の太陽光発電量実績データを用いて指定された13カ月間を30分単位で予測するもので、予測精度や予測モデル、実用性、発展性が審査された。

 固定価格買取制度(FIT)による買取期間の終了した「卒FIT」太陽光からの余剰電力の有効活用や、2021年度に開設される需給調整市場を見据えたデマンドレスポンス(需要応答)やVPP(仮想発電所)などの新たなリソース活用において、太陽光発電の需要量や発電量の高精度な予測は不可欠とされる。同社は今後、実績データの蓄積や気象予報値の種類を増やしてAIに学習させることで更なる予測精度の向上を目指すという。

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