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「EV充電機会」をオークション、再エネへの出力抑制を低減

2019/07/26 15:27
工藤宗介=技術ライター
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今回開発したエネルギーマネジメント手法の概要
(出所:早稲田大学、東京大学)
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オークションの実施例。入札額が最も低かった需要家が落札し、2番目に低い入札額で取引することで、安価に出力抑制を低減できる
(出所:早稲田大学、東京大学)
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 早稲田大学と東京大学の研究グループは7月24日、電力需要家の電気自動車(EV)を用いたエネルギー管理手法を開発したと発表した。EVの充電機会を対象としたオークションを実施することで、需要家参加の自主性や利益分配の公平性を確保しながら、太陽光発電の出力抑制量および電力コストの削減が可能という。

 太陽光発電が大量に接続された配電系統では、電圧維持のための対策として太陽光発電の出力抑制や配電線の増強などが考えられる。その一方、発電機会の拡大や対策コスト低減の観点から、需要家エネルギー資源を活用したエネルギー管理が注目されている。

 特にEVは、50%以上が日中未稼働のまま駐車しているとされることから、適切な時間帯に充電することで太陽光発電の更なる活用が期待される。研究グループは今回、ゲーム理論に基づくセカンドプライス・シールドビッド・オークション方式を活用したEVの充電管理手法を開発した。

 同手法では、配電系統エリアの需要家の太陽光発電の出力抑制が大きく発生すると見込まれる時間帯に、アグリゲーターがEV充電時間を対象としたオークションを実施する。参加者は、自宅の出力抑制が削減されることで得られる便益を考慮しながら、指定時間帯のEV充電に対する入札額を決定する。

 落札した需要家は、対象時間にEV充電することで報酬を受け取る。報酬は参加した需要家が分配して負担することで、個々の需要家の出力抑制が安価に軽減・解消される仕組み。落札者は最も低い金額を付けた需要家になるが、取引自体は2番目に低い入札額を用いるため、1人が過度に低額で入札しても周囲の需要家の出力抑制軽減の便益が適切に反映されるという。

 太陽光発電の導入が進むと、将来的には配電系統における電力潮流が現在とは著しく異なる振る舞いを見せると想定される。今回の開発手法は、さまざまなエネルギー機器の運用に対しても応用可能と考えられる。同手法の応用を含め、再生可能エネルギーを有効活用するための包括的なエネルギー管理手法の開発をさらに検討していくという。

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