郡山市の卸市場内に「太陽光+水素システム」、運用コストを検証

2019/07/26 15:40
工藤宗介=技術ライター
水素エネルギー利用システム「Hydro Q-BiC」とエネルギー供給先の管理棟
(出所:清水建設)
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 清水建設は7月23日、産業技術総合研究所(産総研)と共同開発した水素エネルギー利用システム「Hydro Q-BiC」を、郡山市総合地方卸売市場内の管理棟に適用し、運用を開始したと発表した。日常的に運用することで、CO2排出量の削減効果と維持管理費を定量評価し、2020年度の実用化を目指す。

 産総研の福島再生可能エネルギー研究所(FREA)を拠点に、2016年1月から共同開発を進めてきた。再エネを利用した効率的な水素製造技術、水素吸蔵合金による水素貯蔵・放出技術、清水建設が開発した建物のエネルギー管理システム(スマートBEMS)によるシステム全体の最適な運用技術を確立した。

 今回適用したHydro Q-BiCは、総出力64.5kWの太陽光パネル、製造能力5Nm3/hの水素製造装置、水素貯蔵量80Nm3の水素貯蔵装置、出力3.5kWの燃料電池4台、電力貯蔵量10kWhの蓄電池2台から構成される。これらの装置をスマートBEMSが一元的に監視・制御することで、最適なエネルギー利用が可能という。

 太陽光発電の余剰電力(最大30kW)を使用し、1時間に最大5Nm3の水素を製造・貯蔵。管理棟の電力使用ピーク時間帯である朝5~9時に、水素を使った燃料電池と蓄電池による最大34kWの電力を太陽光発電に上乗せして供給する。管理棟のピーク電力を抑えつつ、CO2排出量を導入前と比較して約40%削減できる見込み。

 福島県では、2012年3月に改訂された福島県再エネ推進ビジョンに基づき、2040年に県内エネルギー需要量の100%を再エネで賄うという目標を掲げている。清水建設と産総研は今回、郡山市に同システムの適用可能案件を照会し、管理棟への適用が決まった。

 清水建設は今後、工場やホテル、病院に対して同システムを提案することで普及促進していく計画。