「太陽光は世界のエネルギー需要の半分を賄える」、産総研など分析

2019/07/26 16:10
工藤宗介=技術ライター
世界のエネルギー需要に占める太陽光発電のシェアのシナリオ
(出所:産総研、「Terawatt-scale photovoltaics: Transform global energy」を参照)
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 「2050年までには世界全体のエネルギー需要の約1~5割を太陽光で供給できる可能性がある」――。産業技術総合研究所は6月26日、こうした分析結果を公表した。

 産総研と独フラウンホーファー研究機構 太陽エネルギーシステム研究所(Fraunhofer ISE)、米国国立再生可能エネルギー研究所(NREL)が2018年4月に合同開催した「The Terawatt Workshop」での議論を論文にまとめ、今後の世界の太陽光発電の普及ペースの目安や課題を提示した。論文のタイトルは「Terawatt-scale photovoltaics: Transform global energy」で、2019年5月31日付のScience誌に掲載された。

 それによると、太陽光発電の導入拡大に伴い、モジュール(パネル)の平均価格は2018年末時点で定格出力あたりの単価0.25米ドル/Wを切った。これは日本の条件に直すと1.4円/kWh以下に相当するという。太陽光発電は、世界の多くの地域で既に最安価、または間もなく最安価になりそうな状況と分析する。

 太陽光は風力発電とともに出力変動するが、電力供給量に占める割合が現状程度であれば出力調整することで価値を維持できることが実証されているという。今後さらに普及が進むのに伴い、出力調整などの対策をより低コストで行うだけでなく、関連するさまざまな技術の開発・普及を進める必要性が増すとしている。

 今後の課題として、電力系統への組み込み、蓄電技術、運輸・熱・工業などでの電化の促進、電力による燃料や化学製品の製造促進、太陽光発電自体の技術開発と普及、を挙げている。こうした課題に対応することで、世界のエネルギー供給体制の変革において、太陽光発電が決定的な役割を果たすことになるとしている。