清水建設、洋上風車向けSEP船を建造、8MW超も対応

2019/07/26 19:19
工藤宗介=技術ライター
自航式SEP船のパース
(出所:清水建設)
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 清水建設は7月24日、洋上風力発電設備の建設工事の受注に向けて、大型風車の建設に対応できる自航式SEP船(Self-Elevating Platform:自己昇降式作業船)を建造すると発表した。8月に着工し、2022年10月に完成する予定。

 欧州では定格出力6~8MW級の洋上風力発電設備が商用化されており、さらに事業採算性を高めるため9~12MW級の超大型風車の計画も進められている。日本でも、今後の発電単価低下への要請と、限られた建設海域での事業規模・採算を勘案すると、欧州同様に8MW以上の風車が必須とされる。

 一方、日本には8MW級以上の洋上風車の建設に対応したSEP船が現在、存在せず、欧州の大型SEP船をチャーターする場合も欧州での需要も高く確保は容易ではないといわれる。同社では、風車本体の調達から設置工事までを含む施設建設工事の市場規模は5兆円超と試算しており、約500億円を投じてSEP船の建造を決定した。

 建造するSEP船は、全幅50m、全長142m、総トン数2万8000tで、クレーンの最大揚重能力は2500t、最高揚重高さは158mと世界有数の作業性能を備える。水深10~65mの海域での作業に対応可能で、作業時には4本の脚を着床させて船体をジャッキアップすることで、波浪に左右されない作業条件を確保する。

 8MW級風車なら7基、12MW級風車なら3基分の線部材を一度に搭載でき、予備日を含めて8MW級風車7基を10日、12MW級風車3基を5日で据え付け可能。また、太平洋側の特徴である10秒程度の長周期波浪(うねり)に対しても船体のジャッキアップ・ジャッキダウンが可能で、既存のSEP船と比べて5割程度高い稼働率を発揮できるという。

 2018年10月からオランダの設計会社GustoMSCの協力を得て仕様を検討して設計し、建造はジャパンマリンユナイテッド(横浜市)に発注した。運行管理は、多数の作業船を保有する深田サルベージ建設(大阪市)などの協力を得て体制を構築する。