ニュース

「海流発電」の長期実証を開始、鹿児島沖で100kW級

2019/07/26 19:39
工藤宗介=技術ライター
印刷用ページ
水中浮遊式海流発電システム実証機「かいりゅう」
(出所:NEDO、IHI)
クリックすると拡大した画像が開きます

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)とIHIは、「水中浮遊式海流発電システム」の100kW級実証機「かいりゅう」を使い、実海域で1年以上の長期実証試験を開始する。8月初旬にIHI横浜事業所(横浜市)から鹿児島県十島村口之島沖の実証海域に向けて出港する。

 「水中浮遊式海流発電システム」とは、海底に設置した重り(シンカー)から浮体式発電装置を海中に係留し、変動の少ない海流エネルギーを利用して発電する仕組み。四方を海に囲まれている日本は海洋エネルギーが豊富で、特に海流エネルギーは世界有数の海流である黒潮が近海を流れているなど地理的条件にも恵まれている。

 「かいりゅう」は、定格出力100kW(50kW×2基)の水中浮遊式海流発電システムの実証機で、タービン直径は約11m、浮体の長さは約20m、幅は約20m。定格流速は毎秒1.5m(3ノット)、浮遊深度は約30~50m。2017年度に完成し、口之島沖の黒潮海域で短期の実証実験を行った。

 短期実証実験では、自律制御システムによって姿勢や深度を制御しながら、想定通りの性能を発揮することを確認した。また、海流特性や設置・撤去工事手法の精査などを含め、今後の実用化に向けて必要な実海域での試験データを取得した。

 長期実証実験に備えてNEDOとIHIは、2017年度の短期実証試験の結果を踏まえ、運転時にタービン翼や浮体の傾きを調整する自律制御プログラムの改良、海流の乱れ防止のための整流板の増設、実証機内部の排熱機能の向上などの改良を施した。

 また、2018年度から実証海域である口之島沖の海流の計測、系統接続のための調査・検討、地元との調整を行った。8月中旬に口之島沖での設置工事を開始し、試運転などを行った後、今秋からの運転を目指す。

システムメンテナンスのお知らせ
  • 記事ランキング