太陽光と蓄電池でロックフェス運営、猪苗代町で初開催

アンフィニが福島工場で製造した「地元産パネル」を提供

2019/07/30 00:15
金子憲治=日経BP総研 クリーンテックラボ

 7月6日、福島県猪苗代町で、太陽光発電の電力で運営する野外ロックフェスティバル「猪苗代 THE SOLAR BUDOKAN 2019」が開催され、10組のアーティストによるコンサートの運営を、太陽光パネルと蓄電池による独立電源システムで賄った。

 これは、ワイズコネクション(東京都渋谷区)が企画したイベントで、「太陽光でロックする」をキャッチコピーに、野外ロックコンサートを通じて、温暖化問題や再生可能エネルギーの推進を啓発していく狙いがある。2013年に岐阜県中津川市で初めて企画され、その後、徳島県松茂町でも開催、福島県でのイベントは、今回が初めてとなった。

7月6日に開催した「猪苗代 THE SOLAR BUDOKAN 2019」
(出所:ワイズコネクション)
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 今回の「猪苗代 THE SOLAR BUDOKAN 2019」は、猪苗代湖畔にある猪苗代野外音楽堂で午前11時から午後9時まで開催され、舞台での演奏のほか、フードコートも併設した。

 会場には、合計出力約23kWの太陽光パネルを設置し、発電電力を合計容量63kWhの蓄電池システム(12.6kWhユニット・5台)に充電し、蓄電池からステージに電気を供給した。負荷となる電気設備は、スピーカー12台、モニター2台にミキサーなど。演奏家は、楽器の電源をステージ上の3kW・2本のコンセントから電気を利用した。

 太陽光パネルはアンフィニ製で、福島県楢葉町にある同社・福島工場で製造した新型パネル(275W/枚)を合計84枚、単管パイプで造った仮設の架台に取り付けた。同社は、特別協賛企業としてパネルを無償で提供して、イベントをサポートした。

太陽光パネルはアンフィニの福島工場で製造
(出所:ワイズコネクション)
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 また、猪苗代野外音楽堂には、もともと約7kWの太陽光パネルと22kWhの蓄電池システムが常設されており、ここからも電気の供給を受けたという。

蓄電池からの電気の方が「いい音」!

 コンサート開催に備え、事前に太陽光の電気で蓄電池をフル充電しておき、当日は太陽光パネルで蓄電池の放電分を補うという形になる。7月6日当日は、快晴だったため、蓄電池の充電量がほとんど減ることなく必要な機材に電気を供給できたという。

 ワイズコネクションによると、電子楽器の演奏では、系統電力を電源にした場合より、蓄電池を電源にした方が、安定していい音が出ることが知られており、再生可能エネルギーへの賛同とともに、演奏自体にもプラスの効果があるという。

蓄電池からステージに電力を供給
(出所:ワイズコネクション)
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 会場には、雨天などで事前に貯めた蓄電池の電気と太陽光だけで需要を賄えない場合に備え、バイオ燃料を使ったディーゼル発電機によるバックアップも用意したという。また、フードコートで使う電力に関しては、グリーン電力証書でオフセットした。

 ワイズコネクションでは、同様の太陽光と蓄電池による独立電源システムによる野外コンサートを、岐阜県中津川市で9月28日と29日(中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2019)、徳島県松茂町で10月13日(阿波国 THE SOLAR BUDOKAN 2019)に開催する予定だ。

電子楽器は、蓄電池を電源にした方が、安定していい音が出る
(出所:ワイズコネクション)
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