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480MWの「宇久島プロジェクト」、8月にようやく着工!(page 2)

主体が九電工に代わり、土地や許認可の準備を急ぐ

2019/08/01 07:10
加藤 伸一=日経BP総研 クリーンテックラボ
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佐世保の拠点は「事前調整担当」から「工事担当」に

 8月中の着工を目指して、6月初旬には、プロジェクトの発電事業者となる「宇久島みらいエネルギー合同会社」の事務所が、長崎県佐世保市に開設された。

 これまでは、プロジェクトを主導している九電工が、佐世保市に「宇久島事業開発支社」を置き、その名の通り、事業開発のための準備や調整を進めてきた。

 事業開発のための準備のうち、土地の取りまとめや土地関連の許認可では、日本の多くのメガソーラーと同じように、多くの困難があったようだ。

 例えば、用地の所有者の数が多く、土地の権利を取りまとめるのに難航した。公的な建物が建っている土地が、調べてみると私有地で、登記せずに建設し、そのままとなっていたなど、登記や取引、相続などを調べて正した上で借りる必要があるものの、それぞれの当事者が不慣れなど、遅々として進まないような状況もある。

 6月に発電事業者の事務所を開設したことは、佐世保での準備の中心が、事前の手続きから、現地での工事に移ったことを意味する。

 事務所の開設を境に、佐世保に駐在している担当者の顔ぶれは、事前手続きを担ってきた担当者から、実際の工事の計画策定や実行を担う担当者に代わりつつある。

 同じ土地関連の手続きであっても、賃貸借や林地開発、農業振興地域からの除外、農地転用などの許認可、海底ケーブルによる送電に関する漁業組合など関連団体との調整、といった段階から、これらを踏まえて、どの土地にどのように太陽光発電設備を設置するのか、具体的に落とし込んでいく作業に、主軸が変わっている。この作業を、佐世保に入った工事関係の担当者が進めている。

 林地開発や農振除外、農地転用などの許認可の手続きも、終わったわけではない。他に例を見ない大規模案件だけに、林地や農地に関連する官庁や地方自治体が、手続きの進め方に慎重になっている面があるようだ。先方の要請通りに申請した後に、これまでにない内容の指摘があり、修正して、再申請するといったプロセスが続いているという。

 こうした準備を経て、8月中に事業化が決定され、電力会社からの連系承諾、活用する土地の所有や賃借関連、林地開発や農地転用といった許認可関連などを揃えて経産省に届け出た後、いよいよ着工となる。

 7月中旬に宇久島を訪問したところ、現地では、このプロジェクトの施工に関連した地盤調査(ボーリング調査)も実施されていた(図2)。

図2●宇久島の南西端でボーリング調査を実施中
(出所:日経BP)
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