洋上新法による「有望4区域」公表、「促進区域」は合計11

2019/08/01 14:48
金子憲治=日経BP総研 クリーンテックラボ、工藤宗介=技術ライター
秋田県北部洋上風力発電事業のイメージ
(出所:大林組)
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 経済産業省と国土交通省は7月30日、洋上風力発電の開発を先行的に進める「有望な4区域」として、秋田県の能代市・三種町・男鹿市沖、秋田県の由利本荘市沖(北側・南側)、千葉県の銚子市沖、長崎県の五島市沖を指定したと発表した。

 これは、「洋上新法」とも呼ばれる「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律(再エネ海域利用法)」に基づく促進地域の指定によるもの。すでに一定の準備段階に進んでいる11区域を整理し、そのうち、地元合意など環境整備が進捗している4区域を「有望」とした。今後、協議会の組織や国による風況・地質調査の準備を直ちに開始する。

 4区域のほか、一定の準備段階に進んでいる区域は、秋田県八峰町・能代市沖、秋田県潟上市沖、青森県沖日本海(北側)、青森県沖日本海(南側)、青森県陸奥湾、新潟県村上市・胎内市沖、長崎県西海市江島沖の7区域。これらと4つの有望区域を合わせて11区域となる。今回、「有望」とならなかった区域も、次年度やそれ以降に「有望」と指定される可能性もある。

 それぞれの区域について、地元合意などの環境整備、利害関係者との調整、世界遺産に問題が生じないよう整理が必要など、今後の進め方における留意事項も併記した。

 洋上新法では、洋上風力発電設備の整備に向けて促進地域を年度ごとに指定し、公募・入札により発電事業者を選定する。選ばれた発電事業者には、最大30年の海域専有が許可される仕組み。6月11日に策定された「海洋再生可能エネルギー発電設備整備促進区域指定ガイドライン(区域指定ガイドライン)」に基づき、都道府県などからの情報や第三者委員会の意見を踏まえて区域を整理した。

 今回、有望区域とされた4区域では、すでに民間事業者が洋上風力の開発を目指して、各種調査や環境アセスメントの手続きを進めている。

 秋田県能代市・三種町・男鹿市沖では、大林組と関西電力などが出力455MWの洋上風力発電所を2024年度以降に運転開始を目指している。秋田県由利本荘市沖では、レノバ、エコ・パワー、JR東日本エネルギー開発が共同出資して最大1GWの洋上風力発電所を計画。千葉県銚子市沖では、東京電力とオリックスがそれぞれ事業性調査を実施。長崎県五島市沖では、戸田建設が出力22MWの浮体式洋上風力発電所を計画し、資金の一部をグリーンボンドで調達した。

 こうした先行して開発を進めている事業者が、今後実施される入札による選定過程のなかで、どんな形で優位性を付与されるのか否か、なども注目点になっている。