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大規模再エネの「買取義務」「インバランス特例」廃止、市場連動型に(page 3)

2019/08/06 14:15
金子憲治=日経BP総研 クリーンテックラボ
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売電と発電量予測の「代行業」に注目

 一方、今回、公表された中間整理案から、現行の入札制度の対象になっている500kW以上の太陽光に関しては、2021年度以降、「競争電源」として、既述した(1)~(4)の方向性による新制度に移行するのはほぼ確実となった。

 新制度のイメージに関しては、事務局は「FIP(フィード・イン・プレミアム)」制度などを例示している。すでに複数の委員から同制度への賛同が示されており、FIPを軸に検討が進みそうだ。FIPとは、再エネ発電事業者が電力卸市場への売却など市場価格で電力を販売する場合、プレミアムを上乗せする補助制度。売電単価に市場変動の要素を加味しつつ、プレミアム分によって再エネ普及を支援する。

 FIPにも複数の方式があるが、今回の中間整理案に「投資回収について一定の予見性を確保」との文言が入ったことから、市場価格が大幅に下がっても、一定以上には売電単価が下がらないように補助する「下限付きプレミアム方式」が有力になると予想される。

FIP(フィード・イン・プレミアム)には3タイプある
(出所:経産省)
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 売電単価の決定方式については、今後、同小員会で議論を経て詳細な制度設計が進むことになるが、既述した方向性の(1)と(2)である「買取義務」と「インバランス特例」の廃止については異論がなかったことから、実現するのは確実だ。そうなると、太陽光発電事業者自らが売電先を探して契約し、日々発電計画を作成しなくてはならない。

 現実的には、こうした専門的で経験を要する作業を行うことは簡単ではないため、発電事業者からの委託を受け、発電量を予測して有利な価格で売電する代行会社の役割が重要になってくる。もしくは、太陽光発電所の設計・施工、運営・保守に加え、発電予測と電力販売までも一括して請け負うようなビジネス形態が出てくると予想される(関連記事:「FIT終了」に現実味、その時、太陽光ビジネスに求められるもの)。

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